先天性腸閉鎖(症)〔せんてんせいちょうへいさ(しょう)〕

[原因]
 発生過程の障害により、腸の内腔(ないくう)が一部閉じてしまった病気です。十二指腸閉鎖では先天性心疾患、食道閉鎖、腎奇形などの異常を合併することがあります。

[症状]
 生後2~3日から持続性に吐きはじめます。閉鎖の場所が口側に近いほど早く吐きはじめ、肛門側に近いほどおなかがふくれます。

[診断]
 腹部X線検査で、腸管ガス像が途中までしか入っていないことを確認します。肛門から造影剤を入れて(注腸造影)、ほかの病気と鑑別します。

[治療]
 胃や腸にチューブを入れて減圧し、点滴により脱水や電解質の補正をおこなったあと、手術をします。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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