先天性表皮水疱症(単純型接合部型および栄養障害型)〔せんてんせいひょうひすいほうしょう(たんじゅんがたせつごうぶがたおよびえいようしょうがいがた)〕

 軽い刺激により皮膚、粘膜に水疱(すいほう)を生じる疾患です。乳幼児期に発症し、長年症状が持続します。

[原因]
 遺伝子異常により皮膚を結合する物質が欠損していることが原因です。

[症状]
 単純型では、水疱後瘢痕(はんこん)を残さず、年齢とともに徐々に軽快していきます。接合部型は、全身の水疱、びらんを起こし、早期に死亡する型と軽症型があります。栄養障害型は血性の水疱を起こし、水疱後に瘢痕を残します。顕性(優性)遺伝性と潜性(劣性)遺伝性に分けられ、顕性(優性)遺伝性は徐々に軽快していきますが、潜性(劣性)遺伝性は、指の癒着、難治性潰瘍(かいよう)、食道狭窄(きょうさく)も起こし、予後不良です。

[治療]
 不必要な外力を避ける生活上の注意、感染予防のための抗菌薬塗布、ビタミンE内服などがおこなわれます。表皮水疱症は国が指定する難病医療費助成制度対象疾病(指定難病)の一つです。

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