食物アレルギー、アトピー性皮膚炎〔しょくもつあれるぎー、あとぴーせいひふえん〕

 アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー性疾患を起こす原因となる物質をアレルゲンといいます。アレルゲンとしては、ダニやハウスダストなどがもっとも多く、食物アレルギーも重要です。

[症状]
 食物がアレルゲンとなって、アレルギー反応を起こす場合、いろいろな症状を起こすことがあります。アナフィラキシーと呼ばれるショック状態になることがあります。急激にじんましん様の症状があらわれたり、血圧低下、呼吸不全などを起こし、命にかかわることもあります。薬剤が原因のことも多く、そば、カニ、エビ、ゼラチンなどいろいろな食物で起こることがあります。ほかにも嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などの消化器症状、鼻汁、くしゃみ、鼻づまり、気管支ぜんそく、せきなどの呼吸器症状、じんましん、アトピー性皮膚炎などがあります。アトピー性皮膚炎は、アレルギーによる乾燥肌、湿疹(しっしん)が慢性的に続く状態です。

[原因]
 原因となる食物は、牛乳、卵が多く、肉類、魚、大豆、小麦なども可能性があります。また、食品添加物が原因となることもあります。
 アトピー性皮膚炎は、アレルギーを基盤とした慢性的な皮膚の炎症で、早い子では生後2~3カ月ごろから乳児湿疹というかたちで始まります。幼児期から出てくることもあります。
 乳児湿疹のなかには、乳児期だけでその後は湿疹ができなくなる子もいます。乳児期は、顔、くび、頭や耳の周囲、手足に、紅斑(こうはん)や丘疹(きゅうしん)ができ、湿った感じになってきます。かゆみが強く、かきむしって皮膚がただれたようになったり、かさぶたがついたり、化膿したりすることもあります。丘疹
 幼児期以降になると、乾燥肌あるいはアトピー性皮膚といわれるカサカサした皮膚に、丘疹や、かさぶた状の乾いた湿疹ができます。
 年長になると、アレルゲンとしてかなりの部分がダニ、ハウスダストになりますが、乳幼児では食物アレルゲンが関与することも多いので検索が必要です。

[診断]
 アナフィラキシーやじんましんなどは、アレルゲンを摂取してからすぐ反応が出るので、アレルゲンの同定は比較的容易ですが、アトピー性皮膚炎のような慢性の疾患の場合の食物アレルゲンの診断は簡単ではありません。
 食事内容と皮膚症状の関連をよく観察して疑わしい食物をあげます。それらの食物を食べないようにして皮膚症状がよくなればアレルゲンであるといえます。また、アレルゲンを皮膚につけてアレルギー反応が出るかどうか調べるスクラッチテストやパッチテストも診断に有効です。血液中のアレルゲンに対する特異的なIgE抗体(RAST)を候補食物に関して調べることも可能ですが、乳児期は陽性率が低くなります。

[治療]
 アナフィラキシーなど、高度なアレルギー反応を起こした食物は摂取禁止です。
 その他の症状に対しては、アレルゲンとなっている食物を除去するかどうかは、重症度とその食物の栄養、成長における重要度との兼ね合いになります。
 アトピー性皮膚炎では、生後2~3年が食物アレルゲンの関与が大きい時期ですが、また、成長にも大切な時期ですので、むやみに厳格に食事制限をするのはよくありません。まず、皮膚を清潔に保ち、せっけんでこまめに洗い、落ちてしまった皮脂をアトピー用のクリームなどで補充し、湿疹部位には抗炎症薬を塗布するなどのスキンケアをおこないます。かゆみどめや抗アレルギー薬の内服もおこなわれます。
 副腎皮質ステロイド薬は、短期間に使うかぎり副作用は強く出ないので、的確に使用することが効果的です。ダニやハウスダストの除去など環境を整備します。
 これらの対応でも効果が不十分で、食物アレルギーの関与が大きいと思われるときは食事療法をおこないます。何種類もの食物を除去することは困難なので、影響が大きいと思われるものだけを除きます。食べても大丈夫かどうかの負荷試験もおこなわれます。
 栄養バランスがくずれないように、栄養指導のもと、代替食品などを用いて、たんぱく質、ビタミン類などが摂取不足にならないよう注意します。
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