食物アレルギー〔しょくもつあれるぎー〕 家庭の医学

[症状]
 食物がアレルゲンとなって、アレルギー反応を起こす場合、いろいろな症状を起こすことがあります。急激にじんましん様の症状があらわれたり、鼻汁、くしゃみ、鼻づまり、せき、ゼーゼーなどの呼吸器症状、嘔吐(おうと)、下痢、血便、腹痛などの消化器症状が出現します。重症になるとアナフィラキシーと呼ばれ、血圧低下や意識障害などショック状態になり、命にかかわることもあります。

[原因]
 原因として多いのは、卵や牛乳、小麦ですが、いろいろな食物で起こることがあります。特に、そば、ナッツ類、ピーナッツ、カニやエビなどの甲殻類などは強いアレルギー反応を起こします。

[診断]
 食物を摂取後にアレルギー症状が出たら診断します。アナフィラキシーやじんましんなどは、アレルゲンを摂取してからすぐ反応が出るので、アレルゲンの同定は比較的容易です。特異的IgE抗体測定や皮膚のテストなどもおこないます。原因がはっきりしない場合は、専門医のもとで、食物経口負荷試験を実施し確定診断することがあります。

[治療]
 治療は原因食物の除去と誤食の防止です。給食なども配慮してもらいましょう。食べられるかどうかは、専門医のもとで経口負荷試験を実施するなどして決めていきます。
 誤って食べてしまったなどで、アナフィラキシー症状を起こしたときには、アドレナリン筋肉注射(エピペン®)を緊急で注射します。

(執筆・監修:地方独立行政法人 栃木県立リハビリテーションセンター 理事長兼所長/自治医科大学 客員教授〔小児科〕 山形 崇倫