汗疹(あせも)〔かんしん〕 家庭の医学

 汗の出る孔に一致して、小さく盛り上がった丘疹(きゅうしん)や水疱(すいほう)が密集してできるもので、かゆみを伴います。からだのどこにでもできますが、せなか、くび、おなか、ひじやひざの内側など、汗の蒸発しにくいところによくできます。

[原因]
 高温多湿な環境では汗が多く出ますが、汗が蒸発しないような状態では、汗の出てくる場所である汗腺(かんせん)の皮膚への出口がふさがってしまい、汗が皮膚の表面まで出られずに汗腺の中にたまってきて、水ぶくれのようになります。
 汗がどんどんたまって、水ぶくれが破れて、汗が皮膚の中にしみ出すとかゆみが出てきます。あせもができると、皮膚が化膿しやすくなり、うみがひろがっていく“とびひ”と呼ばれる伝染性膿痂疹(のうかしん)ができたり、頭では、汗腺が化膿しておできのようになったり、リンパ節がはれたりします(あせものより)。

[予防][治療]
 汗をかいたあと、なるべく早く発散させることです。風通しのいい部屋で、通気性がよく汗を吸い取りやすい木綿などの素材の服を着せます。
 汗をかいたらすぐ拭き取り、入浴したりシャワーを浴びるのも効果的です。ローション、パウダー、クリーム類はあまり有効ではありませんが、ためしてみてもよいでしょう。あせもの状態がわるいときは、抗炎症薬の軟膏(なんこう)を塗ります。湿疹が合併しているようなら副腎皮質ステロイド薬の軟膏を使います。とびひになってきたら抗菌薬を使用します。

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