尖圭コンジローマ〔せんけいこんじろーま〕

 ヒトパピローマウイルス(HPV)の6型または11型が、おもに性交渉により感染して、外陰・腟(ちつ)・子宮頸(けい)部などの性器に、多発性にいぼ(ニワトリのとさか様)を発現させる性感染症です。ヒトパピローマウイルスには6型、11型のほか200種類以上のタイプがあり、子宮頸がんの原因となるHPVはべつのタイプです。
 尖圭コンジローマは20歳代の女性に多く発症し、妊娠中は病変が悪化もしくは出現しやすいです。尖圭コンジローマをもつ妊婦から生まれた児は、母体からの母子感染によって児の咽頭、気道にいぼを形成する呼吸器乳頭腫を発症することがあります。
 外陰部の尖圭コンジローマに対しては、イミキモドクリーム5%を塗布します。これでも治らないときには、レーザー光により蒸散治療、液体窒素による凍結療法などをおこないます。腟内、子宮頸部の病変にはイミキモドクリームは使用できないため、レーザー光治療、凍結療法、外科的切除をおこないます。
 HPVワクチンは定期接種(公費助成によって無料の予防接種)ワクチンであり、そのうち4価、9価ワクチンを接種すると尖圭コンジローマの予防になります。定期接種の対象は小学6年生~高校1年生の女子です。これによって、子宮頸がんの主たる原因であるHPV16型、18型の感染も予防できます。海外では、HPVワクチンによって尖圭コンジローマがなくなってきた国もあります。

【参照】性感染症:尖圭コンジローマ

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