性器ヘルペス〔せいきへるぺす〕 家庭の医学

 単純疱疹(ほうしん)ウイルス(herpes simplex virus:HSV)1型もしくは2型が性交渉により感染して、性器に有痛性の水疱(すいほう:水ぶくれ)・潰瘍などを発現させる性感染症です。
 HSV1型もしくは2型が性交渉によって初感染すると、3~7日の潜伏期間を経て、外陰部の小陰唇や大陰唇の付近に広範な浅い潰瘍と発熱、鼠径(そけい)部リンパ節のはれを呈します(初発型)。特に、排尿困難になることもあり、入院加療が必要となるケースもあります。通常、2~3週間で傷あとも残さずに治癒しますが、このうちの70%程度は以後ときどき同じような場所に水疱・潰瘍が再発します(再発型といいます)。
 再発型の場合、症状は軽症であり、自然に軽快することもあります。ただし、その間も性交渉によってパートナーに感染がひろがることがあります。再発する前に前駆症状として外陰部の違和感、ピリピリ感を自覚することがあります。

[治療]
 初発型には単純疱疹ウイルスに対する特効薬(抗ウイルス剤)であるアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルを内服させます。排尿困難などの症状が出るほど重症な場合は入院して、アシクロビルの点滴をおこないます。
 再発型の場合、そのつど抗ウイルス剤を内服する方法、前駆症状を感じたら抗ウイルス剤を内服する方法、再発の回数が多い場合に1年間毎日抗ウイルス剤を内服する方法があります。

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