尖圭コンジローマ〔せんけいこんじろーま〕 家庭の医学

 ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)が性器に感染する性感染症の一つです。HPVは180種類以上に分類されますが、そのなかで性的接触によって性器に感染するものは40種類以上あります。尖圭コンジローマは、このうちHPV6、11型というタイプの感染が大半を占めますが、子宮頸(けい)がんや外陰がんの発症要因となるHPV16、18型などが同時に感染していることもあります。

[症状][診断]
 感染後3週~8カ月(平均2.8カ月)経過して、男性では陰茎(いんけい)の亀頭、冠状溝、包皮(ほうひ)に、女性では大小陰唇(いんしん)や腟前庭(ちつぜんてい)に、または男女の肛門周囲や尿道に、粟粒(あわつぶ)大~米粒大のピンク色で鶏のトサカのような形をしたやわらかいできものが多数できます。
 感染機会があり、この特徴的な病変が確認できれば診断できます。

[治療]
 外性器または肛門周囲に病変がある場合は、イミキモドクリームを塗布する薬物治療が主流です。しかし、この治療法は治癒するまでに数カ月かかるため、病変の部位や大きさ、数によっては、液体窒素を用いた凍結療法や、レーザー、電気メスを用いた外科的療法もおこなわれます。
 いずれの治療法も、単独では治癒率が60~90%で、再発率が20~30%と高いため、複数の治療法をくり返さなければならないこともあります。

【参照】
 女性の病気:尖圭コンジローマ
 肛門の病気:尖圭コンジローマ(尖圭コンジローム)

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学講座 講師 亀井 潤)
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