リンパ節炎〔りんぱせつえん〕

 さまざまな細菌やウイルスが体内に侵入してリンパ節に炎症を生じる病気です。
 足の傷やみず虫が化膿して鼠径(そけい)部のリンパ節がはれたり、手の指にひょう疽(そ)ができて腋窩(えきか)リンパ節がはれたりする急性のものでは、原因となる傷を治すことが大切で、あわせて抗菌薬を投与します。リンパ節が化膿してうみをもつようなひどい場合には、外科的に切開することもあります。ネコにひっかかれた傷や、淋菌感染症などの性感染症による感染のこともあります。
 ウイルスの感染としてよく知られているものに伝染性単核球(たんかくきゅう)症があり、EB(エプスタイン・バー)ウイルスによる経口感染といわれています。小児は軽症で発熱期間も短く、成人の場合は2週間前後持続する発熱があり、頸(けい)部を中心に全身的なリンパ節の腫大がみられ、血液の検査で変形した異型リンパ球が10%以上含まれたリンパ球の増加がみとめられます。自然によくなるため対症療法をおこないます。
 結核梅毒、寄生虫(トキソプラズマ)などによる感染では、リンパ節の炎症が慢性的に続きます。特に結核性リンパ節炎は、頸部に痛みのないリンパ節が数珠(じゅず)状に腫大し、時に自壊して瘻孔(ろうこう:自然に皮膚に孔〈あな〉があくこと)を形成します。胸部X線検査で異常のない例もあり、悪性腫瘍の転移も考えられるため、高齢者ではリンパ節の組織を一部とって調べることもあります。頸部のリンパ節腫大は悪性リンパ腫という病気のこともあり、十分な検査が必要です。

【参照】くびの病気:急性リンパ節炎慢性リンパ節炎

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