血栓性静脈炎〔けっせんせいじょうみゃくえん〕

 静脈が炎症を起こして閉塞してしまう病気です。手術や外傷のあと静脈がつまったり、悪性腫瘍や糖尿病、心臓病、妊娠などのときに合併してあらわれることが多く、下肢に多くみられます。静脈炎が起こった側の下肢が急にはれ、静脈に沿って熱をもち、痛みます。静脈注射に対する反応として起こることもあり、特異体質の人に起こりやすいものです。
 予防することが第一で、その方法は下肢をよく動かすことです。一度できると、血栓を溶かす薬を使いますが、慢性化すると効果は必ずしもよくありません。感染が起これば抗生物質も必要ですし、血栓性静脈炎から肺梗塞も起こってくることがあります。
 上下の大静脈が炎症や腫瘍のために閉塞されると、上半身または下半身の血流が障害され、障害のある半身に浮腫が起こり、生命にかかわる重大な病気になります(上大静脈症候群、下大静脈症候群)。

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