TSH分泌不全〔TSHぶんぴつふぜん〕

 甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、甲状腺に作用して甲状腺ホルモン合成のはたらきがあり、TSH分泌障害は甲状腺機能低下を起こします。
 診断は、血中の甲状腺ホルモン濃度が低く、かつTSH濃度が不適切に低いことでわかります。また、視床下部や下垂体に病変がないかどうかを確認する必要があります。血中甲状腺ホルモン濃度が低値で血中TSH濃度が正常範囲より高い場合は、甲状腺自体の障害による甲状腺機能低下症です(視床下部性の甲状腺機能低下症でも血中TSHの軽度高値は時にみられます)。甲状腺ホルモンも生存に不可欠なホルモンで、甲状腺機能低下症が確認されれば、甲状腺ホルモンによる補充治療をおこないます。

(執筆・監修:東京女子医科大学 常務理事/名誉教授 肥塚 直美)
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