胸部外傷〔きょうぶがいしょう〕

 シートベルトで圧迫されたり、前胸部がこすられたりして打撲傷や擦過傷(さっかしょう)を起こすことがあります。また、大きな事故ではハンドルなどで胸を強打し、胸骨・肋骨(ろっこつ)骨折、肺挫傷(ざしょう)などが起こることがあります。心臓圧迫、心臓挫傷も時に起こります。また気管や肺が破れ、気胸を起こすこともあります。心臓、大動脈、大静脈の破裂では急死することも多いです。
 肋骨骨折では血胸、気胸、血気胸を起こし、呼吸困難など重症になることがあります。シートベルトを締めることやエアバッグは、胸部外傷をかなり予防することができます。重い胸部外傷と思われたら、手術のできる大きな病院に運びます。

【参照】応急手当て:胸・背―腰・腹のけが

(執筆・監修:八戸市立市民病院 事業管理者 今 明秀)
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