乳幼児の免疫系の発達

 新生児は胎盤から母親の免疫グロブリンG(IgG)を受け継いでいます。これによって守られる感染症もあります。麻疹(ましん:はしか)風疹(ふうしん)水痘(すいとう:水ぼうそう)流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)などは、母親が抗体をもっていれば、7カ月ごろまでは守られます。
 生後6カ月くらいで親から継いだ免疫体(抗体)は半減するために、それからあとは自分で免疫グロブリンをつくる必要があります。
 一般に新生児、乳児期は免疫力が弱いために細菌感染が多く、重症化しやすいため、注意が必要です。通常のかぜウイルスなどは、かかりながら免疫力を獲得していくことがあるため、そう神経質になる必要はありません。
 母親が妊娠中に腟(ちつ)の細菌検査でB群溶連菌という細菌が陽性に出た場合には、赤ちゃんに感染し、重篤な髄膜炎などを起こすことがあるため母体の治療が必要です。この予防のためにも、妊娠後期には産科できちんと検診や検査などを受けることが大切です。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授 桃井 眞里子)
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