発達に心配なことがあったら・育てにくいと感じたら 家庭の医学

 運動発達、精神発達、行動上の問題、社会性の発達など、心配なことがあったら、悩む前に小児科医に相談してください。また、公費の健診を必ず受診することも、心配の解決になります。幼児期に問題をあきらかにすることで早期の対応ができ、その後の育児や発達によりよい影響があります。
「育てにくい」と感じる、それが高じて「かわいいと思えない」場合、子どもの側に問題が潜んでいることがあります。次のような感じを毎日のように抱いたら、小児科専門医か小児神経専門医を受診してください。発達のかたよりがあることがあります。
●何度言ってもできない:食事習慣がつかない、一口食べてすぐに遊びだすなど、年齢相当の生活習慣がつきにくい。
●指示とおりにできない:生活上の指示が入りにくい、時間がかかる、やろうとしない。
●すぐにパニックになる:気に入らないと大泣きする、1時間でも泣いている、すぐに大騒ぎする、床や壁に頭をゴツンゴツンとぶつける、自分で頭をたたく、などの行動が頻繁にみられる。
●極端にがんこ:言い出したら聞かない、我(が)が通るまで大騒ぎする、変えようとしない。
●極端な偏食:白飯しか食べない、野菜はいっさい口にしない、など。
●感覚の過敏さ:大きい音やうるさい音に過敏で大泣きする、耳を塞ぐ。物のにおいをいちいち嗅ぐ。ご飯のにおいをいやがる、など。
●こだわり行動:特定のタオルなどがないと大騒ぎになる、暑いのに長袖しか着ない、丸い物ならなんでもじっと見ている、などの理解しにくい一定の行動。
●他児とのかかわりかた:相手の髪をひっぱる、押し倒すなどの行動が頻繁で注意されてもやめない、言ってはいけないことを言ってしまう、集団行動ができない。
●同じパターンをくり返す:くるくる回る、からだを揺り動かす、ドアを開け閉めする、などの同じ行動をくり返す。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授 桃井 眞里子)
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