乳幼児の消化器の発達

□胃はミルクの量程度の大きさ
 胃の容量は、出生時は30~60mL、6カ月までに120~200mL、6~12カ月が200~300mLで、その後、急速に大きくなります。成人では約3000mLです。小さいころほど容量が少なく、ミルクの量よりすこし大きめ程度のために、哺乳直後は胃がいっぱいの状態です。哺乳後に大きな体位変換で一度に吐くことがあるのもこのためです。

□胃は垂直だから吐きやすい
 大人は胃が水平ですが、乳児では垂直で、大人でいう胃下垂状態です。そのうえ、食道との境の噴門部の括約筋(かつやくきん)がゆるめなので、飲みすぎると一気に嘔吐(おうと)しやすくなります。哺乳後はしばらく立て抱きにして、胃に同時に入った空気を抜くための、ゲップを出しやすくすることが大切です。哺乳後すぐに横に寝かせると全部嘔吐したりします。

□腸内細菌叢が未熟で下痢になりやすい
 腸内細菌叢(そう)は生後成熟します。そのため、感冒や薬などで容易に細菌叢が乱されて、下痢が長期化しやすいのです。下痢の際には、まず、乳酸菌製剤が有効なのは、このためです。

□下痢が長引くと乳糖不耐症になりやすい
 腸の粘膜には乳糖を分解する酵素があります。下痢をすると、この粘膜の上の酵素がなくなるので、哺乳と同時に水様の下痢をします。それにより哺乳を続けている間は下痢が続くことがあります。母乳やレギュラーミルクに含まれる乳糖によって下痢が生じている状態を、乳糖不耐症(2次的)と呼びます。乳糖不耐症が疑われるからといって授乳をとめると腸粘膜の回復がおくれますので、乳糖除去ミルクや乳糖を分解する薬などで対応することがあります。下痢が長期化する前に、小児科医の判断を求めてください。

□排便は個人差が大きい
 乳児は排便回数が多いことが特徴です。一般に母乳栄養児は排便回数が多い傾向があります。回数は個人差が大きいために、何日も排便がないような便秘を除いては、あまりこだわる必要はありません。色も栄養によって変化しますが、灰白色またはそれに近いと思ったら、便をもって受診してください。

□肝臓の機能は未熟で低血糖を起こしやすい
 肝臓は胎児期には血液をつくっていたために、乳児期にはその名残で大きいのがふつうです。肝臓がすこし右側に触れても、多くの場合は正常です。また、肝臓にグリコーゲンの貯蔵型の物質が少ないために、一生でもっとも低血糖を生じやすい時期です。
 朝方に元気がない、顔いろが不良、手のふるえがあるなどが観察されたら、低血糖を疑って受診が必要です。
医師を探す