出産時の事故で重い脳性まひになった子どもの家族に補償金を支払う「産科医療補償制度」を巡り、自民党は28日、旧基準で対象外とされたり、申請を見送ったりした子どもらに1200万円の特別給付金を支給する提言をまとめた。制度の剰余金を活用し、2025年1月をめどに支給を開始する内容。最大2000人が対象になるとみられ、同党は近く厚生労働省に提出する方針。
 産科医療補償制度は、産科医の訴訟リスクを減らすため、09年に創設された。病院などが掛け金を払い、出産時の医療事故で重い脳性まひを発症した子どもに対し、補償金3000万円を支給している。運営は日本医療機能評価機構。
 制度はこれまでに2度見直され、15~21年と、新基準となった22年以降に生まれた子どもでは補償を判断する審査基準が異なる。21年末までに生まれた子どもには、出産時の低酸素状態などを要件とする個別審査があったが、医学的に不合理な点があるとして、22年以降は撤廃。妊娠28週以上で、先天性な要因によらず、身体障害者手帳1・2級相当の脳性まひであれば補償対象となった。 (C)時事通信社