国立がん研究センターなどは15日、AYA世代と呼ばれる15~39歳の若年層のがんについて、女性では乳がん(34.2%)が最多で、子宮頸(けい)がんが続いたとの調査結果を公表した。データが少ないAYA世代などに特化した調査結果の報告は2019年に続き2回目だが、詳細な割合の公表は初めて。
 同センターなどは18、19年に全国のがん専門病院など860施設で悪性腫瘍やリンパ腫、白血病などと診断されて治療を始めた0~39歳のデータを分析。小児(0~14歳)は延べ4688人、AYA世代は同5万8062人で、全患者のそれぞれ8~9割、7割ほどをカバーしていると推定できるという。
 体の表面などの細胞から発生する悪性腫瘍は「がん腫」と呼ばれ、AYA世代の患者のうち、国際基準に従ってがん腫に分類されたのは2万1926人に上った。男性は4922人で、結腸・直腸がん(28.1%)が最も多く、甲状腺がん(14.4%)や胃がん(11.7%)が続いた。
 女性は約3.5倍の1万7004人。乳がんのほか、子宮頸がん(18.1%)や甲状腺がん(14.3%)、子宮がん(7.3%)が多かった。
 調査に携わった同センターがん対策研究所の石井太祐さんは「乳がん子宮頸がんについては、国の推奨通りに検診を受け、早期発見することが重要だ」と指摘している。 (C)時事通信社