東京消防庁は6日、2023年の救急隊の出動件数が過去最多の91万7472件(速報値)だったと発表した。約34秒に1回出動した計算で、通報を受けて現場に到着するまでの時間は平均10分弱だった。同庁は出動件数の増加について、「一分一秒を争う現場への到着が遅れ、救える命が救えなくなる恐れがある」として、119番の適正利用を呼び掛けている。
 同庁によると、23年は新型コロナウイルスインフルエンザでの発熱、人の往来の増加による交通事故や飲酒事故などで救急要請が相次いだ。過去最多だった22年の87万2075件から5.2%増加した。
 現場到着時間の平均も9分54秒で過去最長を更新。6分29秒だった20年から、3年連続の増加となった。
 救急搬送された人のうち、半数以上は入院の必要がない「軽症」と診断されたという。緊急で病院を受診すべきか、救急車を利用すべきか迷う場合は、医師や看護師が24時間対応する救急相談センター(#7119)を活用してほしいとしている。 (C)時事通信社