「健康寿命」を延ばすには1日9000歩が目標―。京都府立医科大の研究グループが1日の歩数と健康状態との関係を、人工知能(AI)を使って開発した指標などから分析したところ、こんな結果が出た。「自分は健康だ」と自覚するには1日1万1000歩となった。いずれも年齢や性別による違いは見られなかったという。論文は1日、英医学誌電子版に掲載された。
健康寿命は健康上の問題なく、日常生活を支障なしに送れる期間を示し、厚生労働省の2019年調査では、男性72.68歳、女性75.38歳だった。
研究グループは昨年、AIを使った機械学習で年齢や性別、病気の有無など約40項目から健康寿命を予測する指標を開発。今回は19年の国民生活基礎調査と国民健康・栄養調査の両方の対象となった成人約4900人のデータを基に健康状態や同指標と、歩数との関係を調べた。
その結果、歩数が増えるにつれて指標が改善。「生活に活動制限があるか」では1日9000歩、「健康と自覚しているか」では1日1万1000歩までは指標が良くなる一方、それ以上ではほとんど変わらなかった。
研究グループの京都府立医科大大学院の西真宏助教(循環器内科学)は「今より1歩でも多く歩くことが健康寿命を延ばすが、目標値を超えてもそれ以上の効果は期待できないことに留意が必要だ」と話している。 (C)時事通信社
1日9000歩で健康寿命延伸=AI指標で分析―京都府立医科大
(2024/05/01 14:11)