SOS子どもの村JAPANの1年間の活動実績を掲載した「ANNUAL REPORT 2023」を発行いたしました。
認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN
A loving home for every child. すべての子どもに愛ある家庭を
「SOS子どもの村JAPAN」(https://www.sosjapan.org/)は、オーストリアに本部を置き130以上の国と地域で活動する国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人です。当法人は親と離れて暮らす子どもが家庭的な環境で安心して成長できるよう支援しています。また子どもと家族が地域社会から孤立することによって生じる様々な課題を解決するため里親制度を活用しながら「地域の家族支援」を行っています。 このたび2023年の活動報告書「ANNUAL REPORT 2023」を発行いたしましたのでご報告いたします。 ◆ANNUAL REPORT2023はこちらから URL:https://www.sosjapan.org/information-disclosure ◆ご寄付をいただける方はこちらから URL:https://www.sosjapan.org/supporterpage/
SOS子どもの村JAPANとは
オーストリアに本部を置き130以上の国と地域で活動する国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人(福岡市:理事長 福重 淳一郎 小児科医 正職員29名)です。
世界共通のスローガン「すべての子どもに愛ある家庭を」に基づき、家族と離れて暮らす子どもを「子どもの村福岡」の里親家庭に迎えいれ、地域とのつながりを大切にしながら育てています。また、子どもと家族が地域社会から孤立することによって生じるさまざまな課題を解決するために、福岡市から事業を受託し、子どもと家族がどのような状況であっても、寄り添い、かかわり続ける支援を実施しています。
特に、虐待防止の切り札として注目されている「里親による子どもショートステイ」の取り組みを通じて、子どもと家族が地域社会から孤立せず、安心して子育てができる地域社会づくりを目指しています。
「SOS子どもの村JAPAN」の活動内容
1.親と離れて暮らす子どもたちの養育
「子どもの村福岡」
家族と離れて暮らす子どもたちに代わりとなる家庭を
A loving home for every child
2010年4月、福岡市西区今津に「子どもの村福岡」を開村しました。育親が子どもの親代わりとなり、ともに家庭をつくり、子どもと愛着関係を築くことを大切にしています。子どものアイデンティティや自尊心、他者への思いやりを育むことが目標です。
家庭的な環境で子どもたちを育てることを大切にしています。また、子どもたちが心から安心し、健やかに育つことが出来るように、専門的知識を持つ職員などが1つのチームとなり、複数人で関わりながら、子どもたちの養育を行っています。
2.虐待予防の取り組みと地域の家族への支援
「子どもの村福岡」での子どもショートステイ
村内の5棟の内、2棟をショートステイ専用棟として運用し、子どもたちを短期間、一時的に預かっています。子どもや家族とコミュニケーションを取りつつ、困難のある家庭が離れて暮らすことにならないために、新しい家族支援のかたちを構築しています。
子ども家庭支援センター「SOS子どもの村」(地域の家族への相談事業)
福岡市からの委託を受け開設した、地域の子どもたちと、家族のための相談機関です。
平日および土日祝祭日に、臨床心理士や公認心理師など、子どもにかかわる専門職のスタッフが、家族のあらゆる悩みについて相談を受けサポートしています。必要に応じて、心理検査や遊戯療法、心理療法、カウンセリングなどを行います。子どもを主体に、子どもの声を聴きながら、家族とともに困難の解決をめざしています。
ヤングケアラー相談窓口
ヤングケアラーとは、家族にケアが必要な人がいる場合に、本来大人が担うような責任や負担を引き受け、家事や家族の世話、 感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子どものことです。
「福岡市ヤングケアラー相談窓口」は、福岡市からの委託を受け、ヤングケアラーに関する相談を受け、悩みごとについて一緒に考え、状況を整理して、コーディネーターが適切な支援先につなげます。
みんなで里親プロジェクト(里親による子どもショートステイ)
子どもショートステイは、福岡市内の里親家庭でも受け入れることができます。SOS子どもの村の職員が、里親家庭に預けるためのコーディネートをしています。また、里親になって子どもを預かってくださる方のリクルート活動も行いながら、子どもと家族にとっての身近な支援のしくみを作ろうとしています。
活動成果報告書「ANNUAL REPORT 2023」について
1.親と離れて暮らす子どもたちの養育
子どもたちを、地域とともにチームで育てる
「子どもの村福岡」の3つの家庭では、合計11 人の子どもを育てています。2023 年4月から新たに1年生となった2人を含め、9人の子どもたちが小学校に通い始めました。放課後、「子どもの村福岡」の中庭は、まるで毎日が運動会のように活気づき、近隣の子どもたちも加わり、元気いっぱいに遊んでいます。
地域との結びつきを大切にし「地域の子」として共に育てるため、清掃活動やお祭りなど地域の行事にも積極的に参加しています。これらの活動を通じ、地域の方々との関係性を紡ぎながら相互の理解と協力を深めています。
2023 年はコロナ禍の影響が薄れる中で、地域との交流機会が増加しました。子どもの村・今津連絡協議会の開催や公民館との共催コンサートなど、さまざまな活動を通じて地域社会との絆を深めています。
「子どもの村福岡」が開村してから初めて実施した行事、「あつまれファミフェスin SOS 子どもの村」で、福岡市内の里親家庭や地域の子ども・保護者を招き284 名が参加し、大盛況で終えることができました。かつて「子どもの村福岡」で育った子どもたちも参加し、役職員にとっても大変嬉しzい機会となりました。「子どもの村福岡」がいつでも安心して帰ってこれる「実家」のような場所であることの大切さを再認識しました。
クリスマスの時期には、毎年ご寄付いただいている福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手が1年ぶりに訪れ、子どもたちの成長に驚きながら、キャッチボールを楽しむ時間を過ごしました。
2.虐待予防の取り組みと地域の家族への支援
「子どもの村福岡」での子どもショートステイ
困難な状況にある、地域の子どもと家族への支援
福岡市からの委託事業として、「子どもの村福岡」では2軒の家を活用し、「子どもショートステイ」と「一時保護」のプログラムを実施しています。特に、育児疲れなどで子育てに支援が必要な家庭が利用できる「子どもショートステイ」の利用希望は年々増加しています。
利用希望者が増加する中、スタッフが不足している「子どもの村福岡」では、ファミリーアシスタントが連携しながら子どもショートステイや一時保護を丁寧に受け入れることで、保護者からも安心して預けられる場所として評価を得ています。
子ども家庭支援センター「SOS 子どもの村」
地域の子どもと家族、里親家庭に信頼される支援機関を目指して
福岡市からの委託を受けて運営されている「子ども家庭支援センター」は、行政の通常業務時間外に対応するため、平日の夜間や土日祝日に開所しています。このセンターは、地域に住む家族のさまざまな相談をお受けし、心理検査や、カウンセリング心理療法を行っています。また地域で暮らす里親家庭の支援も行っています。当法人が運営する他の事業と連携を取りながら、子どもとその家族に対して包括的な支援を提供しています。
フォスタリングチェンジプログラム
子どもの委託を受けている里親に対する養育プログラムを児童相談所と共働で実施しています。
・全受講者対象のアフターセッション実施(6月2日)
・オンラインによる フォローアップ研修を実施(9月11日、11月6日)
ヤングケアラー相談窓口
本人の意志を尊重し、希望に応じた面談やアウトリーチ支援
福岡市から委託を受け、2021 年11 月に開設された「ヤングケアラー相談窓口」は、相談受付や広報・啓発活動を3 名のスタッフで運営しています。開設当初は相談になかなか繋がらない状況にありましたが、学校関係者を通じて徐々に相談が増え始め、現在ではこども食堂、居場所支援、若者相談、介護事業所、基幹相談支援センター、地域包括支援センターといったさまざまな機関からの相談も増加しています。この変化は、関係機関向けの広報・啓発活動が功を奏し、ヤングケアラーの存在に対する認知と理解を深めることに繋がっていると考えられます。
さらに、ヤングケアラーと直接的なつながりを持つ機会が増えていることも、この相談窓口の重要な進展です。当事者の意志を尊重し、彼らの希望に応じた面談やアウトリーチ支援(家庭や学校への訪問)を提供することで、ヤングケアラーが直面する問題への具体的な支援を行っています。
みんなで里親プロジェクト
地域の里親との協働による、子育て短期支援事業
「子育てに困難を抱える家庭を地域で支えるしくみをつくりたい」という思いから、2014 年にSOS 子どもの村JAPAN と福岡市西区の協働事業として始まった「みんなで里親プロジェクト」。現在、この取組が虐待防止の切り札として全国的にも注目されており、他自治体からの行政視察を受ける機会が増加しています。福岡市と日本財団が協定を締結したことで、2022年4 月からは福岡市全域で実施されています。
リクルート活動
子どもショートステイの受け入れ先が不足しているため、リクルート活動に注力しています。2023 年は、ショートステイ利用ニーズの高い、東区・博多区を重点エリアとしてリクルートに注力し、説明会を実施したことで、27 世帯が増加、現在61 世帯がショートステイ里親として登録しています。
コーディネート
安定したショートステイの受け入れ体制を維持するための体制整備に取り組みながら、利用者、区役所、里親との間を取り持ち、ショートステイもコーディネートしています。受け入れ先の里親家庭と利用者が安心できるように、急な事態にも対応できるようにフォロー体制を整えています。
質の向上
ショートステイを活用した家族支援の効果を検証し、改善点を見つけるために、子どもの村福岡と定期的にミーティングを開催しています。また、「子どもショートステイ」の取組を実施している、他のNPO や、施設などとも連携し、福岡市全体のショートステイシステムの改善を行うとともに、全国の自治体や機関との意見交換も実施しております。
財務報告
収入の部
1.支援会員会費:2023年は、個人会員738名と、企業・団体会員100社のマンスリー会員及び寄付支援会員の方からご寄付をいただきました。
2.寄付金収入:2022年は大口のご寄付を頂戴したため、2023年は68,269,424円の減収となっています。
3.助成金収入:日本財団と福岡市との協定により「里親による子育て短期支援事業(家庭養育推進自治体モデル事業)」として、2026 年3 月までの4 年間の助成事業として実施しています。
4.子どもの村福岡運営事業:子どもの村福岡では、3 つの育親家庭の一つを「ファミリーホーム」として運営しています。ファミリーホームの運営は、公的な資金で賄われています。
5.ショートステイ・一時保護受託事業:事業委託費と、受入実績に応じた措置費が計上されています。
6.児童家庭支援センター運営業務受託事業:国から定められた委託費を毎年計上しています。
7.ヤングケアラー専用相談窓口運営業務受託事業:福岡市からの委託事業として計上しています。
8.里親ショートステイ事業:コーディネーターが、地域の里親家庭に「子どもショートステイ」を委託することで福岡市から委託費収入を得られます。委託件数が大幅に増加し、2022年と比較して約2倍の増収となりました。ただし、SOS子どもの村JAPANは行政の役割を代行しているため、これらの委託費を里親家庭に全額支払っています。(支出の欄、12参照)
支出の部
9.子どもの村福岡運営事業:2023 年の事業費の内訳は、スタッフの人件費等23,626,344 円(構成比51.9%)、ファミリーホームの事業費17,130,187 円(構成比37.6%)、管理費4,404,995 円(構成比9.7%)となっています。
10.ショートステイ・一時保護事業:期中においてスタッフの退職などがあり、人件費が微減となりました。
11.ヤングケアラー専用相談窓口運営業務受託事業:人事異動などに伴い、人件費の一部が若干減少しました。また、当法人の会計年度(1~12月)と、行政の会計年度(4~3月)が異なるため、委託費収入に比べて計上される費用が少なくなっていますが、2024 年3 月には解消される予定です。
12.里親ショートステイ事業(日本財団助成事業):増加する利用ニーズに対応するため、コーディネート体制を強化しました。これに伴い里親への委託費用及び人件費等が増加しています。しかし、この委託費用に関しては、上述(収入の部、8)のとおり、同額が福岡市より提供されているため収支への影響はありません。
13.情報提供・啓発活動事業 14.支援者リレーションズ事業:広報活動や、支援者とのコミュニケーション費用を計上しています。2022 年にホームページの全面リニューアルが完了したことなどから、前年度対比2,187,875 円の減少となっています。
15.積立金支出:2022 年は、特に大きなご寄付を頂戴したため、運営基金を積立てることができました。一方、2023 年は通常の収支範囲内で行われているため、前年と比べて積立金の支出が大幅に減少しています。「子どもの村福岡」で育った子どもたちが、いつでも戻れる場所を維持し続けるために、建築物の修繕や建替え資金を計画的な積立てていきます。
アニュアルレポートはこちらから
ご寄付をいただいた皆さまへ郵送にてお送りをしておりますが、WEBサイトでの公開も行っております。
◆活動成果報告書「ANNUAL REPORT 2022」はこちらから
URL:https://www.sosjapan.org/information-disclosure
《 クレジット 》
・企画/制作/文・編集
SOS子どもの村JAPAN
・Design
九州コミュニティ研究所( http://crik.jp/ )
・Photo
Ryuto Sato( https://www.instagram.com/ryutosanto/ )
Hiromasa Otsuka( https://www.overhaul.jp/ )
ALBUS( https://albus.in/ )
ご寄付で私たちの活動を支えてください。
子どもの頃、嬉しいことがあったとき、 共に喜んでくれたひと。
前を向けずひとりで居たとき、あなたの手を握りただ隣に居てくれたひと。自信が持てないとき、代わりにあなたのことを信じてくれたひと。みなさんにとって、どんなひとですか?
「人と人とのつながりが、 子どもの人生を支えていく揺るがない礎となる」
私たちはそう信じています。
私たちの活動は、皆さんからの寄付によって支えられています。
月1,000 円からのマンスリー会員で活動を支える仲間に。
そして子どもと共に生きる仲間となっていただけたら嬉しいです。
◆ご寄付をいただける方はこちらから
URL:https://www.sosjapan.org/supporterpage/
団体概要
オーストリアに本部を置き130以上の国と地域で活動する国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人です。当法人は、子どもと家族が地域社会から孤立することによって生じるさまざまな課題を解決するために、里親制度を活用した「地域の家族支援」の取り組みを福岡市全域で展開しています。
認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN
設 立:2006年12月21日
理事長:福重淳一郎
所在地:〒810-0042 福岡市中央区赤坂1-3-14 ブランシェ赤坂3F
電 話:092-737-8655
URL:http://www.sosjapan.org/
特設サイト:https://www.sosjapan.org/supporterpage/
X(旧:Twitter):https://twitter.com/soscvj
Facebook:https://www.facebook.com/sosjapan/
Instagram:https://www.instagram.com/soscvjapan/
公式note:https://note.com/soscvj
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A loving home for every child. すべての子どもに愛ある家庭を
「SOS子どもの村JAPAN」(https://www.sosjapan.org/)は、オーストリアに本部を置き130以上の国と地域で活動する国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人です。当法人は親と離れて暮らす子どもが家庭的な環境で安心して成長できるよう支援しています。また子どもと家族が地域社会から孤立することによって生じる様々な課題を解決するため里親制度を活用しながら「地域の家族支援」を行っています。 このたび2023年の活動報告書「ANNUAL REPORT 2023」を発行いたしましたのでご報告いたします。 ◆ANNUAL REPORT2023はこちらから URL:https://www.sosjapan.org/information-disclosure ◆ご寄付をいただける方はこちらから URL:https://www.sosjapan.org/supporterpage/
SOS子どもの村JAPANとは
オーストリアに本部を置き130以上の国と地域で活動する国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人(福岡市:理事長 福重 淳一郎 小児科医 正職員29名)です。
世界共通のスローガン「すべての子どもに愛ある家庭を」に基づき、家族と離れて暮らす子どもを「子どもの村福岡」の里親家庭に迎えいれ、地域とのつながりを大切にしながら育てています。また、子どもと家族が地域社会から孤立することによって生じるさまざまな課題を解決するために、福岡市から事業を受託し、子どもと家族がどのような状況であっても、寄り添い、かかわり続ける支援を実施しています。
特に、虐待防止の切り札として注目されている「里親による子どもショートステイ」の取り組みを通じて、子どもと家族が地域社会から孤立せず、安心して子育てができる地域社会づくりを目指しています。
「SOS子どもの村JAPAN」の活動内容
1.親と離れて暮らす子どもたちの養育
「子どもの村福岡」
家族と離れて暮らす子どもたちに代わりとなる家庭を
A loving home for every child
2010年4月、福岡市西区今津に「子どもの村福岡」を開村しました。育親が子どもの親代わりとなり、ともに家庭をつくり、子どもと愛着関係を築くことを大切にしています。子どものアイデンティティや自尊心、他者への思いやりを育むことが目標です。
家庭的な環境で子どもたちを育てることを大切にしています。また、子どもたちが心から安心し、健やかに育つことが出来るように、専門的知識を持つ職員などが1つのチームとなり、複数人で関わりながら、子どもたちの養育を行っています。
2.虐待予防の取り組みと地域の家族への支援
「子どもの村福岡」での子どもショートステイ
村内の5棟の内、2棟をショートステイ専用棟として運用し、子どもたちを短期間、一時的に預かっています。子どもや家族とコミュニケーションを取りつつ、困難のある家庭が離れて暮らすことにならないために、新しい家族支援のかたちを構築しています。
子ども家庭支援センター「SOS子どもの村」(地域の家族への相談事業)
福岡市からの委託を受け開設した、地域の子どもたちと、家族のための相談機関です。
平日および土日祝祭日に、臨床心理士や公認心理師など、子どもにかかわる専門職のスタッフが、家族のあらゆる悩みについて相談を受けサポートしています。必要に応じて、心理検査や遊戯療法、心理療法、カウンセリングなどを行います。子どもを主体に、子どもの声を聴きながら、家族とともに困難の解決をめざしています。
ヤングケアラー相談窓口
ヤングケアラーとは、家族にケアが必要な人がいる場合に、本来大人が担うような責任や負担を引き受け、家事や家族の世話、 感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子どものことです。
「福岡市ヤングケアラー相談窓口」は、福岡市からの委託を受け、ヤングケアラーに関する相談を受け、悩みごとについて一緒に考え、状況を整理して、コーディネーターが適切な支援先につなげます。
みんなで里親プロジェクト(里親による子どもショートステイ)
子どもショートステイは、福岡市内の里親家庭でも受け入れることができます。SOS子どもの村の職員が、里親家庭に預けるためのコーディネートをしています。また、里親になって子どもを預かってくださる方のリクルート活動も行いながら、子どもと家族にとっての身近な支援のしくみを作ろうとしています。
活動成果報告書「ANNUAL REPORT 2023」について
1.親と離れて暮らす子どもたちの養育
子どもたちを、地域とともにチームで育てる
「子どもの村福岡」の3つの家庭では、合計11 人の子どもを育てています。2023 年4月から新たに1年生となった2人を含め、9人の子どもたちが小学校に通い始めました。放課後、「子どもの村福岡」の中庭は、まるで毎日が運動会のように活気づき、近隣の子どもたちも加わり、元気いっぱいに遊んでいます。
地域との結びつきを大切にし「地域の子」として共に育てるため、清掃活動やお祭りなど地域の行事にも積極的に参加しています。これらの活動を通じ、地域の方々との関係性を紡ぎながら相互の理解と協力を深めています。
2023 年はコロナ禍の影響が薄れる中で、地域との交流機会が増加しました。子どもの村・今津連絡協議会の開催や公民館との共催コンサートなど、さまざまな活動を通じて地域社会との絆を深めています。
「子どもの村福岡」が開村してから初めて実施した行事、「あつまれファミフェスin SOS 子どもの村」で、福岡市内の里親家庭や地域の子ども・保護者を招き284 名が参加し、大盛況で終えることができました。かつて「子どもの村福岡」で育った子どもたちも参加し、役職員にとっても大変嬉しzい機会となりました。「子どもの村福岡」がいつでも安心して帰ってこれる「実家」のような場所であることの大切さを再認識しました。
クリスマスの時期には、毎年ご寄付いただいている福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手が1年ぶりに訪れ、子どもたちの成長に驚きながら、キャッチボールを楽しむ時間を過ごしました。
2.虐待予防の取り組みと地域の家族への支援
「子どもの村福岡」での子どもショートステイ
困難な状況にある、地域の子どもと家族への支援
福岡市からの委託事業として、「子どもの村福岡」では2軒の家を活用し、「子どもショートステイ」と「一時保護」のプログラムを実施しています。特に、育児疲れなどで子育てに支援が必要な家庭が利用できる「子どもショートステイ」の利用希望は年々増加しています。
利用希望者が増加する中、スタッフが不足している「子どもの村福岡」では、ファミリーアシスタントが連携しながら子どもショートステイや一時保護を丁寧に受け入れることで、保護者からも安心して預けられる場所として評価を得ています。
子ども家庭支援センター「SOS 子どもの村」
地域の子どもと家族、里親家庭に信頼される支援機関を目指して
福岡市からの委託を受けて運営されている「子ども家庭支援センター」は、行政の通常業務時間外に対応するため、平日の夜間や土日祝日に開所しています。このセンターは、地域に住む家族のさまざまな相談をお受けし、心理検査や、カウンセリング心理療法を行っています。また地域で暮らす里親家庭の支援も行っています。当法人が運営する他の事業と連携を取りながら、子どもとその家族に対して包括的な支援を提供しています。
フォスタリングチェンジプログラム
子どもの委託を受けている里親に対する養育プログラムを児童相談所と共働で実施しています。
・全受講者対象のアフターセッション実施(6月2日)
・オンラインによる フォローアップ研修を実施(9月11日、11月6日)
ヤングケアラー相談窓口
本人の意志を尊重し、希望に応じた面談やアウトリーチ支援
福岡市から委託を受け、2021 年11 月に開設された「ヤングケアラー相談窓口」は、相談受付や広報・啓発活動を3 名のスタッフで運営しています。開設当初は相談になかなか繋がらない状況にありましたが、学校関係者を通じて徐々に相談が増え始め、現在ではこども食堂、居場所支援、若者相談、介護事業所、基幹相談支援センター、地域包括支援センターといったさまざまな機関からの相談も増加しています。この変化は、関係機関向けの広報・啓発活動が功を奏し、ヤングケアラーの存在に対する認知と理解を深めることに繋がっていると考えられます。
さらに、ヤングケアラーと直接的なつながりを持つ機会が増えていることも、この相談窓口の重要な進展です。当事者の意志を尊重し、彼らの希望に応じた面談やアウトリーチ支援(家庭や学校への訪問)を提供することで、ヤングケアラーが直面する問題への具体的な支援を行っています。
みんなで里親プロジェクト
地域の里親との協働による、子育て短期支援事業
「子育てに困難を抱える家庭を地域で支えるしくみをつくりたい」という思いから、2014 年にSOS 子どもの村JAPAN と福岡市西区の協働事業として始まった「みんなで里親プロジェクト」。現在、この取組が虐待防止の切り札として全国的にも注目されており、他自治体からの行政視察を受ける機会が増加しています。福岡市と日本財団が協定を締結したことで、2022年4 月からは福岡市全域で実施されています。
リクルート活動
子どもショートステイの受け入れ先が不足しているため、リクルート活動に注力しています。2023 年は、ショートステイ利用ニーズの高い、東区・博多区を重点エリアとしてリクルートに注力し、説明会を実施したことで、27 世帯が増加、現在61 世帯がショートステイ里親として登録しています。
コーディネート
安定したショートステイの受け入れ体制を維持するための体制整備に取り組みながら、利用者、区役所、里親との間を取り持ち、ショートステイもコーディネートしています。受け入れ先の里親家庭と利用者が安心できるように、急な事態にも対応できるようにフォロー体制を整えています。
質の向上
ショートステイを活用した家族支援の効果を検証し、改善点を見つけるために、子どもの村福岡と定期的にミーティングを開催しています。また、「子どもショートステイ」の取組を実施している、他のNPO や、施設などとも連携し、福岡市全体のショートステイシステムの改善を行うとともに、全国の自治体や機関との意見交換も実施しております。
財務報告
収入の部
1.支援会員会費:2023年は、個人会員738名と、企業・団体会員100社のマンスリー会員及び寄付支援会員の方からご寄付をいただきました。
2.寄付金収入:2022年は大口のご寄付を頂戴したため、2023年は68,269,424円の減収となっています。
3.助成金収入:日本財団と福岡市との協定により「里親による子育て短期支援事業(家庭養育推進自治体モデル事業)」として、2026 年3 月までの4 年間の助成事業として実施しています。
4.子どもの村福岡運営事業:子どもの村福岡では、3 つの育親家庭の一つを「ファミリーホーム」として運営しています。ファミリーホームの運営は、公的な資金で賄われています。
5.ショートステイ・一時保護受託事業:事業委託費と、受入実績に応じた措置費が計上されています。
6.児童家庭支援センター運営業務受託事業:国から定められた委託費を毎年計上しています。
7.ヤングケアラー専用相談窓口運営業務受託事業:福岡市からの委託事業として計上しています。
8.里親ショートステイ事業:コーディネーターが、地域の里親家庭に「子どもショートステイ」を委託することで福岡市から委託費収入を得られます。委託件数が大幅に増加し、2022年と比較して約2倍の増収となりました。ただし、SOS子どもの村JAPANは行政の役割を代行しているため、これらの委託費を里親家庭に全額支払っています。(支出の欄、12参照)
支出の部
9.子どもの村福岡運営事業:2023 年の事業費の内訳は、スタッフの人件費等23,626,344 円(構成比51.9%)、ファミリーホームの事業費17,130,187 円(構成比37.6%)、管理費4,404,995 円(構成比9.7%)となっています。
10.ショートステイ・一時保護事業:期中においてスタッフの退職などがあり、人件費が微減となりました。
11.ヤングケアラー専用相談窓口運営業務受託事業:人事異動などに伴い、人件費の一部が若干減少しました。また、当法人の会計年度(1~12月)と、行政の会計年度(4~3月)が異なるため、委託費収入に比べて計上される費用が少なくなっていますが、2024 年3 月には解消される予定です。
12.里親ショートステイ事業(日本財団助成事業):増加する利用ニーズに対応するため、コーディネート体制を強化しました。これに伴い里親への委託費用及び人件費等が増加しています。しかし、この委託費用に関しては、上述(収入の部、8)のとおり、同額が福岡市より提供されているため収支への影響はありません。
13.情報提供・啓発活動事業 14.支援者リレーションズ事業:広報活動や、支援者とのコミュニケーション費用を計上しています。2022 年にホームページの全面リニューアルが完了したことなどから、前年度対比2,187,875 円の減少となっています。
15.積立金支出:2022 年は、特に大きなご寄付を頂戴したため、運営基金を積立てることができました。一方、2023 年は通常の収支範囲内で行われているため、前年と比べて積立金の支出が大幅に減少しています。「子どもの村福岡」で育った子どもたちが、いつでも戻れる場所を維持し続けるために、建築物の修繕や建替え資金を計画的な積立てていきます。
アニュアルレポートはこちらから
ご寄付をいただいた皆さまへ郵送にてお送りをしておりますが、WEBサイトでの公開も行っております。
◆活動成果報告書「ANNUAL REPORT 2022」はこちらから
URL:https://www.sosjapan.org/information-disclosure
《 クレジット 》
・企画/制作/文・編集
SOS子どもの村JAPAN
・Design
九州コミュニティ研究所( http://crik.jp/ )
・Photo
Ryuto Sato( https://www.instagram.com/ryutosanto/ )
Hiromasa Otsuka( https://www.overhaul.jp/ )
ALBUS( https://albus.in/ )
ご寄付で私たちの活動を支えてください。
子どもの頃、嬉しいことがあったとき、 共に喜んでくれたひと。
前を向けずひとりで居たとき、あなたの手を握りただ隣に居てくれたひと。自信が持てないとき、代わりにあなたのことを信じてくれたひと。みなさんにとって、どんなひとですか?
「人と人とのつながりが、 子どもの人生を支えていく揺るがない礎となる」
私たちはそう信じています。
私たちの活動は、皆さんからの寄付によって支えられています。
月1,000 円からのマンスリー会員で活動を支える仲間に。
そして子どもと共に生きる仲間となっていただけたら嬉しいです。
◆ご寄付をいただける方はこちらから
URL:https://www.sosjapan.org/supporterpage/
団体概要
オーストリアに本部を置き130以上の国と地域で活動する国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人です。当法人は、子どもと家族が地域社会から孤立することによって生じるさまざまな課題を解決するために、里親制度を活用した「地域の家族支援」の取り組みを福岡市全域で展開しています。
認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN
設 立:2006年12月21日
理事長:福重淳一郎
所在地:〒810-0042 福岡市中央区赤坂1-3-14 ブランシェ赤坂3F
電 話:092-737-8655
URL:http://www.sosjapan.org/
特設サイト:https://www.sosjapan.org/supporterpage/
X(旧:Twitter):https://twitter.com/soscvj
Facebook:https://www.facebook.com/sosjapan/
Instagram:https://www.instagram.com/soscvjapan/
公式note:https://note.com/soscvj
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(2024/05/28 09:00)
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