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「外反母趾」の予防と治療=大切な靴選び

  ◇靴選びのポイント

 外反母趾をはじめ足の悩みの大部分は「間違った靴選び」が原因といわれている。欧米に比べると日本の靴の歴史はまだ浅く、足の保護や歩行のサポートという靴本来の機能よりもファッション性が重視される傾向にある。合わない靴を履き続けると、靴ずれするだけでは済まず、足が変形し、膝や腰にも影響を及ぼすことも。日頃から靴選びのポイントを抑えておきたい。

 日本では、家の中では靴を脱ぐため欧米と比較すると靴を履く時間が短い。頻繁に靴を履いたり脱いだりするので、しっかり足にフィットさせる紐靴よりも脱ぎやすい靴が好まれる。若い女性は一般に足を小さく見せたい人が多く、8割近い人が小さ過ぎる靴を履いているという。

 最近、外反母趾にならないという触れ込みで幅広のコンフォートシューズを出すメーカーも増えている。幅の広いゆったりした靴は確かに楽だが、不安な要素もある。井口医師によれば、横からの支えがなくなることで足の甲が横に広がる開張足になり、かえって外反母趾を起こしやすくなるという。

 靴の規格には足長(サイズ)と、Eや2Eなどで表示される足囲がある。しかし、選べるのはサイズだけで、足囲は表示されていても選べないことが多い。サイズは選ぶ目安程度に考えて、実際に履いてみて根気良く合う靴を探すことが大切だ。少しの違いなら、市販の中敷きで調節するとよいだろう。


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