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「外反母趾」の予防と治療=大切な靴選び

 「外反母趾(ぼし)」に悩む女性が増えている。足の親指の先が人差し指の方に「くの字」に曲がり外側に突き出す。その突出部が靴に当たって炎症を起こし、ひどくなると靴を履いていなくても痛み、人差し指の付け根の関節が脱臼することもある。ハイヒールを履く若い女性だけでなく、骨がもろくなるなどの原因で高齢の女性にも見られる。足に合わない靴を我慢して履き続けると悪化し、体全体に影響を及ぼす可能性もあるという。

 ◇親指の角度に注意

 外反母趾は、足の親指の骨が変形して付け根の部分が内側に飛び出し、親指の先端が外側に向いてしまう状態のことだ。治療の第一人者、井口傑(いのくち・すぐる)医師は次のような目安を示す。

 「親指の角度が0~15度なら正常で、15度を超えたら軽度の外反母趾を疑い、20度を超えたら明確に診断がつきます。軽症でも痛みが伴う場合はすぐ受診してください」

 外反母趾の患者の9割が女性というのは、もともと女性は筋肉や関節が男性よりも柔らかく外反母趾になりやすいという骨格上の問題があるからだ。体質に加え、足に合わない靴を履き続けることで症状が進行する。

 ◇ストッキングも原因に

 大きな原因の一つはハイヒール。ハイヒールを履くと、足が前方に移動し、靴のとがった三角部分に爪先が押しこまれていく。母趾(親指)は靴の内側面に押されて外側に曲がり、外反した状態で更に全面から押されるので、小指側にどんどん曲がってしまう。親指が変形した状態で靴を履くと、飛び出した部分が靴に当たり痛みがでたり、赤く腫れたりする。関節面や足底の皮膚にタコ(胼胝=べんち)ができ、重症になると、親指が人差し指の下にもぐり込むほど変形することもある。

 意外と知られていないのが、ストッキングによる弊害だ。ストッキングは足に密着し、ある程度の圧力で締め付け続ける。このため1日中ストッキングを履いていると、親指を小指側に締めることになり、ゆっくりと外反母趾を進行させる。

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