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「外反母趾」の予防と治療=大切な靴選び

 ◇医療機関がサポート

 国立国際医療研究センター病院では、靴専門外来を開設している。重度の外反母趾や外傷や疾患による変形、糖尿病足潰瘍など、院内外の紹介患者が利用している。靴だけでなく、下肢の動き、歩き方までトータルに診察するのが特色だ。症状の程度に応じて、靴やインソール(中敷き)の補正、製作を行う。軽症であれば、靴の選び方を指導することで症状が改善することもある。

 同病院のリハビリテーション科診療科長の藤谷順子医師は、足の悩みを軽んじるのは危険だ、と指摘する。

 「足は『第二の心臓』といわれますが、痛みを伴わずに歩けてこその第二の心臓です。糖尿病などによる潰瘍が治りにくいと、切断しなければならない恐れもあります」

 治療のために必要と判断された靴やインソールについては、健康保険が適用される。インソールの場合は自己負担3割で、片側1~2万円程度で済む。「歩けるのがこんなにうれしいとは思わなかった」。同外来で治療を受け、笑顔で帰っていく患者もいるという。

  ◇指体操も効果的

 外反母趾を予防するには、日頃から足をいたわることが大切だ。自宅ではできるだけ裸足になって足をリラックスさせよう。足に優しいスポーツシューズを履いて出勤し、会社でパンプスに履き替える。あるいはパンプスで出勤し、会社でスポーツシューズに履き替える。そういった工夫をしたい。

 指の筋肉が固まってしまったりする拘縮を和らげるためには、運動が効果的だ。足の指で「グー・チョキ・パー」を作る「足指ジャンケン」や、床に広げたタオルを足の指でたぐり寄せる「タオル寄せ運動」など、足指の屈伸・開閉で指を動かす筋肉を鍛えることで足の変形を予防できる。


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