治療・予防

下肢の壊死から巻き爪まで
足の総合医療センター開設―順天堂大

  下肢の壊死(えし)・切断に至る可能性もある糖尿病による血行障害といった重病から、静脈瘤(りゅう)や外反母趾(ぼし)、巻き爪など日常生活にさまざまな支障をもたらす問題まで、足をめぐる疾患や障害は幅広い。順天堂大学は医学部付属の順天堂医院に、各分野の専門医や専門職を集めた「足の疾患センター」を開設。足をめぐるさまざまな症状に対応する総合的な診療に乗り出した。

患者の足を触診する田中里佳副センター長

 専門化が進んだ現在の医療は、疾患や状態に応じて異なる専門医による診療が必要とされる場面が生じる。

 足の疾患でも、形成外科や整形外科に加え、糖尿病内科や血管外科、皮膚科など多くの分野の専門医と、リハビリテーションや専用の靴、装具装用などの専門スタッフも必要だ。

 このため一つの窓口で患者を引き受けるのは難しく、病状によっては複数の医療機関や診療科を受診している患者も少なくない。

 ◇毎月、新たな患者が増加

 センターでは、形成外科や整形外科、皮膚科のほか、血管外科や循環器や腎臓、糖尿病ごとの内科の専門医など医師8人がそれぞれの専門分野の診療に携わるほか、足のケアの専門資格を持つ糖尿病看護認定看護師が初診を担当し、必要な専門医に患者を振り分ける体制を構築している。

患者に病状や対処法を説明する田中里佳副センター長

 副センター長の田中里佳先任准教授(形成外科)によると、発足した今年4月には再診も含めて延べ100人前後だった患者が、毎月100人前後のペースで増加している。

 多くは同院内の他の診療科から「こちらの科を受診していて、足にも悩みを訴えている患者さんがいる」といった形で紹介されてくる、という。田中副センター長は「院外からの紹介が今後増えてくることも予想される」と話す。

 ◇時間をかけて説明

 同センターの診療では、患者の現在の病状とその後予想される経緯、治療や病状悪化の予防のためにするべきことを分かりやすく時間をかけて説明する。複数の医療機関を受診してから同センターに紹介される患者には、「どうしてこんな症状に悩まされているか」「なぜこの治療を受けているか、十分に説明されていない」などと訴えるケースがあるからだ。

 田中副センター長は「治療の継続一つをとってみても、理解の有無が継続率を左右する」と話す。ただ、このような解説や日常生活面での指導は健康保険では収入にならず、時間をかければかけるほど病院側の負担が増す。

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