治療・予防

子どものけいれん対処法
基本は見守り、続けば受診

 幼い子どもが突然けいれんを起こすと、救急搬送されることが少なくないが、実際には緊急性のある重症のケースはそれほど多くはない。「原因はさまざまです。冷静でいるのは難しいと思いますが、焦らないことが大切です」と埼玉県立小児医療センター(さいたま市)神経科の浜野晋一郎医師は話す。

 ◇長さで判断

 まず、けいれんの発作は、そのまま重い病気を意味するものではないということだ。「例えるなら『せき』と同じ。肺炎ぜんそくの場合もあれば、風邪やちょっとした喉の不調でも出ます。けいれんも、それ自体は一つの症状にすぎず、命にかかわる病気や後遺症が残ることはまれです。中には発熱時の悪寒、震えなどをけいれんと誤解し、過剰な検査・治療につながってしまうこともあります」
 6カ月から6歳ごろまでの乳幼児期に多いのが「熱性けいれん」。風邪などで熱が上昇するときに見られるもので、症状は一時的だ。激しく泣いたときに生じる「憤怒けいれん」も、通常は自然に治まる。
 一方てんかんは、けいれんを引き起こす神経疾患の代表例。脳炎や脳症、髄膜炎のほか、事故や虐待で頭蓋内出血が起きた場合などでも、けいれんが起きることがある。「緊急性の見極めは、症状が長く続くかどうか。熱性けいれんの多くは数分以内に治まるので、5分、10分と続く場合や意識が戻らないまま繰り返した場合には病院を受診してください」

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