一人で悩まず受診して =頻尿の原因にも―骨盤臓器脱
頻尿や尿漏れなどの悩みを抱える女性は少なくない。原因の一つに骨盤臓器脱がある。第一東和会病院(大阪府高槻市)女性泌尿器科・ウロギネコロジーセンターの竹山政美センター長は「聞き慣れない病名ですが、決して珍しくありません。生活の質を大きく低下させてしまうので、我慢せずに専門医に相談してください」と呼び掛ける。
◇排尿の不具合や違和感
骨盤臓器脱は骨盤の中に納まっている子宮やぼうこう、直腸、小腸など臓器の一部が膣(ちつ)から飛び出す病気で、50代以降に増える。臓器別に子宮脱、ぼうこう瘤(りゅう)、直腸瘤、小腸瘤などと呼ばれる。
「中でも多いのがぼうこう瘤です。ぼうこうが膣から飛び出すことにより、最初は頻尿や尿漏れなどが起こり、ぼうこうが尿道よりも下がると尿が出にくくなります。進行すると、腎臓からの尿の流れが障害されて腎不全を起こすこともあります」と竹山センター長は話す。
症状は脱出した部位によりさまざまで、何かが膣に挟まっているような違和感や圧迫感、患者が「おなかの中が下がっているような感覚」と説明する下垂感などがある。便秘、排便困難などの症状も表れ、終日不快感がつきまとうため、生活の質が低下し、うつ気味になってしまうこともあるという。
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(2016/09/22 10:23)