治療・予防

週1回以上笑って健康に
~友人と交流で効果アップ(東北大学大学院 竹内研時准教授)~

 笑いやユーモアが健康に及ぼす効果は経験的に知られているが、近年両者の関連について研究も進んでいる。笑いの頻度や他の人との交流、要介護認定リスクとの関連について、東北大学大学院歯学研究科の竹内研時准教授に話を聞いた。

笑いの効用

笑いの効用

 ◇家族以外の交流が鍵

 笑いについて「食事運動の効果に比べると手軽で、健康効果が高い」と竹内准教授。

 要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者1万4233人を対象にした3年間の追跡調査では、ほぼ毎日笑う人と比べ、ほとんど笑わない人は要介護認定リスクが約1.4倍になることが分かった。

 また、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者1万2571人を6年間追跡した調査では、テレビやビデオを見る、落語や芝居を一人で見るときの笑いよりも、他の人と交流しているときの笑いの方が、より健康効果が高いとの結果も出た。

 誰と一緒に笑うかも重要だ。今回の調査では、配偶者や子ども、孫ら親族や友人など他者との交流が2場面以上ある人は、特に要介護認定リスクが低かった。「中でも友人と笑う人は、一人でいるときだけ笑う人と比べて要介護認定リスクが約30%低く、家族以外のつながりをいかに維持するかもポイントです」

 ◇オンライン交流も有効

 例えば地域の中に、同じ趣味の仲間と気軽に集える場所があることも大切だ。ただし、加齢とともに足腰が弱くなると外出機会が減る人も多い。「対面交流が制限された際は、電話やビデオなどのオンライン交流を活用してほしい」

 これまでの研究で、新型コロナウイルス下で人と会う機会が減り笑う機会が減る中、オンライン交流を活用した人は、利用しなかった人に比べ、笑いの減少リスクを緩和する効果があることも分かっている。

 「メールなど文字の交流よりも、顔が見えるオンライン交流の方がより高い効果があります。高齢の親のために子ども世代が協力し、家族や友人と一緒に笑える環境を整えてあげましょう。まず週1回以上笑っているかを確認し、笑いを健康のバロメーターにすることから始めてみるのも一案です」と竹内准教授はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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