治療・予防

経験豊富な専門医に相談を=「性同一性障害」の治療

 肉体の性と心の性を一致させることができない状態を、医学的に「性同一性障害(GID)」と呼ぶ。肉体の性に対する不快感、生活上あらゆる場面で心の性とは反対の自分を演じなければならない精神的苦痛は、医療機関での治療を必要とするケースもある。

 ◇まずカウンセリング

 はりまメンタルクリニック(東京都千代田区)の針間克己(はりま・かつき)院長によると、GIDの原因は、胎児期の脳の形成過程にあると推測されているが、はっきりとは分かっていないという。

 GIDは、体が男性で心が女性の「MTF(Male to Female)」、体が女性で心が男性の「FTM(Female to Male)」の2種類に分類される。

 針間院長は「例えば、MTFでは『本当はスカートをはきたいのに、男らしい服装をしなければならない』『カミングアウトしたら周囲に拒絶されるかもしれない』などのストレスに長年さらされ、心身に不調を来す患者さんもいます」と話す。

 治療はまず、どうすれば今の苦痛が和らぐのか、方針を決めるためのカウンセリングを行う。見た目を心の性別に合致させたいと強く望む患者に対しては、ホルモン療法や性別適合手術といった選択肢もある。

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