Dr.純子のメディカルサロン
物忘れと認知症
A4判で20ページ余りのパンフレットには認知症チェックや認知症の相談窓口、診療を行っている地域の診療所や病院の外来診察日や住所、認知症の人との接し方のポイントである3つの「ない」(驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない)の詳しい説明などが記載されています。
市ではこのほかに、認知症サポーター養成講座や、徘徊(はいかい)高齢者のSOS登録事業なども展開していて、認知症のご家族を持つ方々が問題を一人で抱え込まないように支援する体制づくりに力を入れていました。
家族で問題を抱え込むことは、認知症の方にとってもご家族にとってもよくありません。なぜなら人と関わらないことで認知症はますます進行することがあり、それに伴って家族の方もまた大きなストレスを感じるからです。
認知症には、アルツハイマー型、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭葉性認知症などがあります。
半年前、レビ―小体型認知症の夫を介護する女性から相談を受けました。お一人で介護しているのですが、夫をひとり家において外出することへの不安から睡眠を十分に取れなくなり、うつ状態に陥って悩んでいらっしゃいました。
自治体による支援をご紹介し、半年かけて夫がデイサービスを利用するなどした結果、女性はご自分の生活リズムを取り戻されました。夫もデイサービスに出掛けるのが楽しみになり状況が好転しています。各自治体で行っているこうした支援を知り、ぜひ相談してほしいものです。
(文 海原純子)
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(2018/02/04 16:00)