受験は万全な体調で
失敗しないための対策は
健康管理面で、医師のアドバイスは大切だ。長年、海外渡航者や長期滞在者の健康管理に携わってきた東京医科大学病院渡航者医療センターの濱田篤郎教授は「今後の人生に大きな影響を与える受験を控えて、ストレスを感じるのは当然だろう。その一方で、直前に感染する恐れのある病気にはできるだけの警戒を心掛けてほしい」と強調する。
濱田教授が警戒を呼び掛けるのは、インフルエンザを含めた風邪とノロウイルスなどによる下痢など消化管障害の二つ。インフルエンザやノロウイルスは症状が厳しく、直前に発症してしまうと受験自体が難しくなるからだ。
「今からできることは、まず手洗いの徹底や部屋の加湿だ。効果について議論はあるが、うがいやマスクの着用を励行する。食事についても、生ものを避けて消化の良い料理を食べるようにしたい。当たり前と思うことがほとんどだが、やるだけの効果はあるはずだ」
◇生活リズムを整える
もし、体調がおかしいと感じたら、できるだけ早く医療機関を受診することだ。「インフルエンザなら治療薬もあるし、普通の風邪でも薬で症状を和らげることができる。少しでも体調を整えて受験に臨むために一刻も早く受診してほしい」と濱田教授は話す。体調が悪くなる前に、準備万端を期したい。体調の急変に備え宿泊先に着いたら、夜間に救急受診が可能な近くの医療機関の場所などを確認しておくことも忘れないようにしよう。
もう一つ気が回りにくいのが、生活リズムの調整だ。勉強のために夜型の生活リズムになっている受験生も多い。しかし、本番の試験のほとんどは学校と同じで朝型のリズムで始まる。生活リズムを整えるため、「試験前日ではなく、最低1週間ほど前から十分な睡眠を取り、受験時間に合わせて朝型の生活リズムに切り替えておこう」と濱田教授はアドバイスする。慣れない旅行先では、周囲の音などに敏感になって寝付けないこともあるので耳栓なども持参すると安心だ。(喜多壮太郎、鈴木豊)
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(2018/02/12 16:00)