治療・予防

治ったはずの傷の腫れ
内部で炎症継続―肥厚性瘢痕

 けがなどによる傷が治ったかのように見えたのに、しばらくしてからみみず腫れのように赤く盛り上がることがある。このような症状を「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と呼ぶ。多くは一過性だが、傷の種類や体質などにより治療が必要になることがある。京都大学医学部付属病院(京都市)形成外科の鈴木茂彦教授に聞いた。

 ▽刺激や異物で炎症

傷口は流水で洗って救急ばんそうこうを
 皮膚に傷ができると、血液中の成分が固まりかさぶたになって傷をふさぐ。かさぶたの中では、白血球の働きにより殺菌され壊死(えし)した組織も掃除されていく。この段階を「炎症期」と呼び、炎症期が過ぎると毛細血管に富んだ赤く軟らかい「肉芽組織」がつくられ傷を埋める。やがて肉芽組織の表面に表皮が再生して傷痕を残して治る。瘢痕とは傷痕のことだ。

 ところがいったん治った傷が数カ月後に赤みを帯びて盛り上がることがある。治ったはずの傷の中で炎症が続いており、肉芽組織が過剰につくられることが原因だ。かゆみや引きつれなどが生じることもある。

 鈴木教授は「関節など常に動いて刺激されているような場所に傷があったり、傷の中に異物が残っていたりすると炎症が続きやすくなります。あるいは体質なども考えられます。手術痕よりもすり傷ややけどの方が肥厚性瘢痕になりやすいのです」と話す。

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