大人になっても注射の恐怖
子どもの時に痛み緩和
針を刺す前に、スタッフがその治療や検査の意味を説明し、痛みを感じにくくさせる局所麻酔薬のクリームパッチ剤を使って痛みを軽減したり、注射の前後に縫いぐるみや片手でつかめる玩具などを使って子どもの不安や恐怖心を和らげたりするなどの工夫に取り組んでいる。
▽玩具も使用、不安和らげる
同病棟には、医療遊びのための専用玩具や、模擬薬を飲ませることができる縫いぐるみ、注射で針を刺される際に空いた手で握りしめることができるボール、治療中に子どもの関心を引けるようなキラキラ棒などさまざまな玩具がそろっている。原田さんによれば、子どもたちが点滴や注射を受ける前に、「これがあれば頑張れる」と、子ども自身で玩具を選んで処置室や検査室に向かうという。
手術後の痛みや病気自体が引き起こす痛みは最小限に抑える必要がある。原田さんはそれだけでなく、日常の診療や検査で繰り返される注射や点滴、採血などに使われる注射針の痛みへの対策が重要だと指摘。「多くの子どもが最初に受ける医療行為でハードルが高いのは採血や点滴挿入で、この初回の痛みや処置を受けるまでの不安は後々まで尾を引く。さらに、治療の中で繰り返される行為であるため、子どもの注射針や針を刺す際の痛みに対する心的なダメージが蓄積される」と話す。
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(2018/09/09 16:00)