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長引くコロナ禍でマスクの常時着用が習慣化している日本。「マスク常時着用が頭痛頻発の原因となるケースも見受けられるようになりました。外したくても状況的に外せず、頭痛になる人も多いようです」と、あきはばら駅クリニック(東京都千代田区)の大和田潔院長(総合内科、日本頭痛学会専門医)は話す。
マスクによる呼吸の妨げだけでなく、耳掛けも頭痛の原因に
◇耳掛けでも誘発
マスクを着用すると呼吸を妨げることになり、マスク内の二酸化炭素濃度が高くなる。そのため上手に二酸化炭素を排出できずに頭痛が起こりやすくなる可能性がある。加えて、マスク内の湿度が上がり不快になることも。
眼鏡やかつらなど頭や顔に加わる持続的な刺激が、頭痛を招くことがあるという。女性のポニーテールが頭痛の原因になるケースは「ポニーテール頭痛」と呼ばれる。
マスク着用でも、両耳にマスクを固定するためのゴムやマスク自体による顔への刺激が続くことになる。「ポニーテール頭痛と同じようなメカニズムで頭痛を引き起こすことがあります」
◇マスク外す工夫を
さらに、暑い時期はマスク着用で熱中症リスクが高くなる可能性があるため注意が必要だ。人間の体温調節に呼吸は役立っており、運動時に上昇する体温は、外気を呼吸することなどで調節されている。
「マスク頭痛はマスクを外すだけで軽減できます。マスク着用の規制は急速に緩和されています。どうしても着用しなくてはならない場面や場所を除き、必要最小限にする工夫をするとよいでしょう」
実際、政府が公表しているマスク着用の運用においては、ジョギングなどの運動時や気温が高い場所での作業時をはじめ、屋外ではマスクを外してよいことになっている。室内で体を動かしていないときでも時折マスクを外して深呼吸することで、新鮮な空気を体に取り入れ二酸化炭素をきちんと排出することが健康維持には重要だ。
「頭痛予防の基本は日常生活の改善です。工夫をしても生活に支障を来す頭痛が多い場合は、頭痛外来を受診しましょう」と大和田院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/04/23 05:00)
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