治療・予防

飲み過ぎで症状悪化―薬剤使用過多頭痛
~市販薬に頼らず専門医を受診(糸魚川総合病院脳神経外科 勝木将人医長)~

 国内では100人に8人が片頭痛に悩んでいるとされるが、市販薬を飲み過ぎると「薬剤使用過多による頭痛」を起こし、症状がさらにひどくなるという。実態調査を行った糸魚川総合病院(新潟県糸魚川市)脳神経外科の勝木将人医長に聞いた。

市販薬を飲み過ぎるとかえって頭痛が悪化することも

 ▽刺激で症状悪化も

 肩凝りや眼精疲労による緊張型頭痛は、肩を回すなどの運動で症状が軽減するが、吐き気や気持ち悪さを伴う片頭痛は、光や音の刺激で症状が悪化し、体を動かすとかえって痛みがひどくなる。

 「医師も患者も頭痛を軽く考えがちで、通院せずに市販薬に頼ってしまいます。ただ、薬を飲み過ぎると頭痛が悪化します」と勝木医長。

 月15日以上頭痛がある、あるいは月に10日以上薬を飲む、薬が効かなくなったような気がするなどの自覚症状がある場合は「薬剤使用過多による頭痛」の疑いがある。医療従事者を含め、多くの人に関心を持ってもらいたいと、勝木医長は実態調査を行った。

 調査は、糸魚川市内の新型コロナワクチンの大規模接種会場で、接種後の経過観察中にアンケートを行い、回答があった5865人を対象とした。有病率は2.32%で、うち67%は市販鎮痛薬の「乱用」によるもので、7%は医療機関にかかっているにもかかわらず、「薬剤使用過多による頭痛」だった。

 ▽頭痛は治る病気

 世界保健機関(WHO)の「健康な生活に支障が出る疾病」の順位は、脳卒中、頭痛、認知症と続く。「頭痛は明らかに生活の質を下げますが、軽視されがちで、自己判断で市販薬を飲む人が多いです。治療できる病気だと知ってほしい」

 薬物治療には、痛い時に飲む急性期治療薬と毎日飲む予防薬がある。2021年、頭痛の原因となる神経伝達物質「CGRP」をブロックする新薬が認可され、注目されている。他にも、「頭痛日記」でパターンを知ることも予防対策になる。

 「天気が悪いと頭痛になる人は、その日だけ予防薬を飲んだり、ストレスの多い繁忙期はずっと予防薬を飲んだりする人もいます。頭痛専門医なら、その人の生活スタイルに合わせた調整ができます」

 頭痛で悩む人は、「頭痛専門外来か脳神経内科、脳神経外科を受診することが先決。我慢はさらに頭痛をもたらしかねません」と勝木医長はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)


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