一流に学ぶ 人工股関節手術の第一人者―石部基実氏

(第11回)患者同士がサポート=HPに続々と声

 「痛みがなく歩けるようになって、人生が変わった」「私のような股関節の痛みのある方の力になりたい」「もっと早く手術すればよかった」―。

 クリニックのホームページ(HP)には、手術を受けた患者の声が続々と寄せられてくる。その数は、3月時点で70人を超える。個人情報保護の時代にもかかわらず、多くの患者が顔写真やメールアドレスまで公開している。

 「中には20年以上も悩んでいた人もいます。『長年の痛みから解放され、同じように苦しんでいる人の力になりたい、せっかく自分がこんなに良くなったのだから、他の人にも体験してもらいたい』と思ってくれているみたいです。僕が説明するより、実際に手術を体験した人に直接聞く方が分かりやすい部分もあると思うんですよね」

 自分が手術した患者が、他の人にも手術を勧めるとは医者冥利に尽きる。石部氏の手術を受ける患者のほとんどが、自分でクリニックに連絡を取り、直接予約を入れてくるのだという。

 ◇見ず知らずの人に勧められ

 見ず知らずの人に『治療した方がいいわよ』と声を掛けられて、クリニックにやって来た人もいる。

 「股関節の痛みを抱えている人は、肩を左右に揺らして歩く癖があるので歩き方を見るとすぐ分かります。股関節がずれて『亜脱臼』の状態になると、片方の脚が短くなって左右で差が生じたり、股関節の筋肉が弱くなったりする ためです」

 和歌山県で市場の中を歩いていたら、突然知らない人に話し掛けられ、石部氏の所で手術を受けるよう勧められた。勧めてくれた人の名前も分からない。仙台市のデパートで買い物をしていたら、店の人に石部氏のクリニックに行くよう勧められた―といったエピソードには驚くしかない。

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一流に学ぶ 人工股関節手術の第一人者―石部基実氏