天疱瘡〔てんぽうそう〕 家庭の医学

 皮膚や粘膜に比較的大きな水疱(すいほう)が出現するもので自己免疫疾患とされています。水疱はやぶれやすく、広範囲にびらんを形成します。いったん治癒しますが、再発します。このような臨床経過をとるものを尋常性天疱瘡といいます。
 まれなものですが、中高年に多く、皮膚に先行して口蓋(こうがい)、ほおの粘膜、舌などにみられます。治りにくく、予後不良なことがあります。
 治療は副腎皮質ステロイド薬の全身投与、2次感染防止のため抗生物質の投与などがおこなわれます。


【参照】皮膚の病気:天疱瘡

(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
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