便潜血反応〔べんせんけつはんのう〕

■消化管のがん、潰瘍の診断
 消化管に大量に出血が起これば、便は黒色便を呈したり(上部消化管出血)、血便を呈するので(下部消化管出血)、肉眼でも識別できます。しかし、胃がんや大腸がんなどですこしずつ出血している場合には、肉眼ではわからないので、便潜血反応が必要です。現在は大腸がんのスクリーニング検査として広くおこなわれています。
 便潜血反応が陽性の場合には、胃・十二指腸のがんや潰瘍、潰瘍性大腸炎や大腸がんを疑い、精密検査を受けなければなりません。
 なお、鼻出血、歯ぐきからの出血、痔(じ)出血がある場合には、その旨を申し出ておくようにします。そうでないと、がんを疑われて不必要な検査を受けることになりかねないからです。


■基準値:陰性(-)

■検査結果から疑われる病気
 陽性の場合には、次のことが考えられます。
 食道がん食道潰瘍、食道炎(逆流性食道炎腐食性食道炎参照)、食道静脈瘤胃がん胃潰瘍十二指腸潰瘍クローン病腸結核大腸がん大腸憩室炎潰瘍性大腸炎痔核痔瘻白血病悪性リンパ腫など

(執筆・監修:国際医療福祉大学大学院 臨床医学 教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)

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