伝染性単核球症〔でんせんせいたんかくきゅうしょう〕

[原因][症状]
 乳幼児期のEB(Epstein-Barr)ウイルスの初感染は無症状のことが多いのですが、時に次のような症状を示すことがあります。
 発熱、頸(けい)部リンパ節のはれ、肝臓と脾(ひ)臓のはれ、のどが赤くはれることがおもな症状です。そのほか、発疹(ほっしん)やまぶたがはれることもしばしば起こります。発熱は1~2週間続き、治るのに1~3カ月かかります。

[検査]
 血液検査で、リンパ球の増加や通常のリンパ球と異なったかたちの異型リンパ球の存在が特徴的です。肝機能障害はほとんどの症例に観察されますが、重症となることはほとんどありません。最終診断は、EBウイルスの抗体価を測定し、ウイルスの感染を証明します。肺炎髄膜炎、肝炎、関節炎などの合併症が報告されています。

[治療]
 特別な治療法はなく、自然によくなる病気です。脾臓が大きくなった場合の重篤な合併症として脾臓の破裂があり、打撲などに注意する必要があります。ペニシリン系抗菌薬は、発疹が増悪(ぞうあく)したりするので、使ってはいけないことになっています。

【参照】感染症:伝染性単核球症

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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