伝染性紅斑〔でんせんせいこうはん〕 家庭の医学

[原因]
 6~12歳に多く、ヒトパルボウイルス19の感染で起こります。

[症状]
 潜伏期は4~20日です。両側のほおが赤くなり、1~2日後に腕や太ももに網目状の赤い斑紋があらわれます。特に治療の必要はなく、発疹(ほっしん)は1週間で消失します。小学校で流行することがあり、「りんご病」とも呼ばれています。

[合併症]
 健康な子どもではほとんどありません。顔に紅斑(こうはん)が出たときはすでに感染性がないので登校は可能です。溶血性貧血を起こすことがあるので、赤血球の寿命が短い病気をもつ児(遺伝性球状赤血球症、サラセミア、自己免疫性溶血性貧血など)では、貧血発作を起こすことがあります。
 また、妊娠11~19週の胎児が感染すると、死亡率が高い胎児水腫という病気になります。さらに胎児の感染で、小眼球症や水晶体の異常が起こるので、妊婦はこの感染症に注意する必要があります。

【参照】感染症:伝染性紅斑

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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