無月経〔むげっけい〕

 性成熟期であるにもかかわらず月経が欠如している状態を無月経といいます。初経(しょけい)をむかえる前や閉経後の場合は生理的無月経の状態で、妊娠・産褥(さんじょく)や授乳に伴う無月経も生理的無月経です。生理的無月経以外の無月経が病的無月経であり、満18歳をすぎても初経が起こらない原発性無月経と、それまであった月経が3カ月以上停止した続発性無月経とに大別されます。
 月経は、卵巣から周期的に分泌される女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)に子宮内膜が反応して剥脱(はくだつ)した結果であり、この女性ホルモン分泌の周期は脳下垂体からの性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)、さらに上位の視床下部からのゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)により調節されています。したがって視床下部、脳下垂体、卵巣、子宮内膜の各部位での異常により無月経となりえます。そのほか、原発性無月経は、染色体異常、性腺(卵巣)の発生異常、月経の流出路である性管の形成異常などの先天的な異常や、内分泌系の異常、全身疾患に伴うものなど多くの原因が考えられます。

 それぞれの原因に応じた治療が必要ですが、妊娠を目標とするか否かによって治療方法は変わります。

(執筆・監修:聖路加国際病院 女性総合診療部 部長 平田 哲也)
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