動脈瘤
- 解説
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動脈の一部がふくれて瘤(こぶ)をつくるのが動脈瘤です。胸の中で心臓に近い部分の大動脈や腹の中の大動脈、手や足の動脈にも、また頭の中にもできることがあります。
大動脈瘤の原因は、大部分が動脈硬化と大動脈炎です。
大動脈瘤の特殊な型に“解離性(かいりせい)大動脈瘤”があります。高血圧が合併していることが多く、もともと異常のあった大動脈の中膜層に出血し、大動脈の壁の層と層がさけて(解離して)出血がその中にひろがるもので、きわめて重い病気で、中年以上の男性に多いものです。血圧の低い場合は、マルファン症候群など特殊な全身性の病気です。
ふつうの動脈瘤を真性動脈瘤といいます。動脈炎や外傷で動脈が切れて動脈瘤ができることもあります。
(執筆・監修:自治医科大学内科学講座 教授〔循環器内科学〕 苅尾 七臣)