【ニューヨーク時事】「鉄の肺」と呼ばれる旧式の人工呼吸器の中で70年以上を過ごし、ギネス世界記録にも認定された米テキサス州在住のポール・アレクサンダーさん(78)が11日、死去した。米メディアが13日報じた。死因は明らかにされていないが、先月新型コロナウイルスに感染していた。
 アレクサンダーさんは1952年、当時流行していたポリオに感染。首から下がまひし、鉄の肺を使用するようになった。鉄の肺は鉄製のタンク内の気圧を増減させて呼吸を助ける装置で、アレクサンダーさんは昨年3月に「鉄の肺を使った最長の生存患者」としてギネス認定された。
 最近は動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を通じ、鉄の肺での生活の様子を発信。30万人以上のフォロワーを持ち、動画内で「(世界には)ポリオから守られていない子どもが何百万人もいる」と述べるなど、ワクチン接種の重要性を訴えていた。 (C)時事通信社