東京都足立区の病院で2016年、手術直後の女性患者の胸をなめたとして準強制わいせつ罪に問われた医師関根進被告(48)の差し戻し控訴審第1回公判が18日、東京高裁(斉藤啓昭裁判長)であり、弁護側は改めて無罪を主張した。
 一審東京地裁は、全身麻酔での手術後に陥ることがある意識障害「せん妄」の影響で女性が幻覚を見ていた可能性があるなどとして無罪を言い渡したが、二審は被害証言の信用性を認めて懲役2年とした。最高裁は、証言を裏付ける被告のDNA量の検査について「信頼性を解明すべきだ」として審理のやり直しを命じた。
 弁護側はこの日の意見陳述で、検査記録は鉛筆書きで信用性に問題がある上、試料が廃棄され再検査もできないと指摘し、「無罪判決が速やかに確定することを目指す」と述べた。検察側は一審判決には事実誤認があるとして有罪を主張した。 (C)時事通信社