医療ADR

【連載第2回】使いやすい制度で和解目指す=公平性、専門性を担保―弁護士会医療ADR

 弁護士会医療ADRは、弁護士業務で培われた豊富な経験をもとに、医療関連のトラブルを簡易な手続きで迅速に解決することを目指している。弁護士は都道府県ごとに設置された弁護士会、全国組織の日本弁護士連合会(日弁連)への加入が義務付けられており、各弁護士会は所属弁護士の指導、連絡、監督から、市民の紛争解決の支援までさまざまな活動を行っている。日本の司法制度を考えるとき、北海道、東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州の8地域に設置された高等裁判所が大きなまとまりになっており、日弁連は各高裁管内に少なくとも一つは弁護士会医療ADRを設置し、拡充したいと考えて積極的に取り組んできた。

 ◇弁護士会が設置、現在10カ所

 全国52弁護士会(東京、北海道は複数)のうち、33弁護士会がさまざまな裁判外紛争解決機関(ADR)を設置。民事や家事に関する一般的な紛争、金融、建築などの専門的紛争を話し合いで解決する多様なADRをつくり、年間計1000件程度の事件を受け付けている。

 このうち医療分野を扱う医療ADRについては、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の3弁護士会(東京三会)が共同運営しているのをはじめ、全国10カ所の弁護士会が設置している。

 弁護士会以外では千葉の医師、法学者、法律実務家によるNPO法人「医事紛争研究会」、茨城県医師会が主体となった「茨城県医療問題中立処理委員会」がある。

■弁護士会医療ADR所在地一覧はこちら(日本弁護士連合会ホームページより)


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