足の悩み、一挙解決

第17回 失敗しない靴選びのコツ
〜合っているかをどうやって見分ける?〜 足のクリニック表参道院長 桑原靖

 ◇緩すぎる靴はダメ

 靴擦れに懲りて、サイズに余裕のある靴を買ってしまう人も少なくありません。

 しかし、ゆとりがあれば履きやすいというわけではなく、そのような靴は、足がどの方向からも固定されないため、中でゴソゴソ動いてアーチが崩れやすくなり、後にトラブルが出てくる可能性もあります。

 もちろん、足にトラブルがない人は問題ありませんが、何らかのトラブルがある人は、ムートンのブーツなど、柔らかくてブカブカの靴を履くと、よけいにトラブルが悪化しやすくなってしまいます。

 置いた靴を後ろから見たとき、内側へ「くの字」に曲がってしまっている人は要注意です(図3参照)。

図3

 足は、かかと側に7割、前側に3割のバランスで体重が乗るような骨格構造になっています。このバランスを保てるヒールの高さは、4センチまでで、それを超えると、前後の荷重負荷が逆転してしまい、トラブルの原因になり得ます。


 ◇「ヒール靴」でも安定感のあるものを

 ヒール靴も、できればウェッジソール(かかと部分が高いが、地面との接地面積が大きく比較的安定感のあるヒール靴=写真3)など、ヒールが細くないものの方が安定感があるので、お勧めです。

写真3(EPA時事)

 ピンヒールは、かかとがグラグラするので、避けたほうがいいでしょう。パーティーなどでどうしても履く場合は、移動中はスニーカーにして、会場で履き替えるなど短時間に抑えましょう。

 素足にローファーやスニーカー、パンプスを履くのを、おしゃれだと考える人もいるようですが、足の健康にはマイナスです。たとえストッキング1枚でも履くことで、よけいな摩擦を防いでくれ、足への負担を軽減します。

 足は思いのほか汗をかきますから、清潔を保つためにも、靴下は必ず履くようにしましょう。できれば、汗の吸収性に富んだ綿素材が理想です。

 ◇「はだしで歩く」は要注意

 合わない靴を履いて痛い思いをするくらいなら、いっそのこと素足で歩きたい、などと考えたことはありませんか。

 一部の幼稚園などで「はだし保育」を実践しているところがありますが、子どもは大丈夫でも、一緒になってはだしで生活する先生や職員が足のトラブルを起こしてしまうことも多いようです。

 まだ体重が軽くて足に柔軟性のある子どもや、もともと足に問題のない大人は大丈夫かもしれませんが、もし、足に問題の多い大人がはだしで生活すると、親指の付け根や甲、かかと辺りに痛みを感じるようになってきます。

 足に合った靴は、足を守ってくれる大切なもの。足はみんなが同じ条件というわけではありませんから、それぞれの個性に合わせた対応が尊重されます。素足だから足にいいとは限らないのです。


(文・構成 ジャーナリスト・中山あゆみ)

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