医学生のフィールド

教室飛び出して学び、交流するサマーフェス
学生団体「Medical Future Fes」

 ◇幅広い参加者、オンラインミーティングも

 ―若林さんの熱意によって、大きな企画が実現できたんですね。他にも、オファーされた方はいらっしゃいますか。

2018年のメディカルサマーフェスに関わったスタッフと講師陣(MFF提供)
 若林さん 日本うんこ学会の会長で、「うんコレ」というスマホゲームをプロデュースされた石井洋介医師にも講師として登壇していただきました。

 私はもともと石井先生の大ファンで、先生が出演されるイベント「ニコニコ超会議」にも参加して会いに行っています。話が本当に面白いので、МFFに絶対に来てほしいと思い、イベント会場で直接、お願いしました。

 ―学生という立場で自分がやりたい企画を実現するのは、将来の自信にもつながりますね。高校時代からアクティブに行動していたのですか。

 若林さん 高校の頃は全くそういうタイプではなく、どちらかというと自信もありませんでした。でも、МFFには、貪欲にいろいろなことをやりたくさせて、行動に移せる環境が整っているのだと思います。

 ―メンバーは医療系学生限定なんですね。どんな学生たちが集まってくるのでしょうか。

 若林さん 医学生や歯学部生、看護学生、薬学生のほか、放射線や鍼灸(しんきゅう)を学ぶ学生もいます。幹部は10人ぐらいですが、手伝ってもらえるスタッフを入れると全国で30人ぐらいいます。

 オンラインでもミーティングを行うので、医療系であれば、どの地域の学生でも参加できます。実際に集まるのは東京が多く、イベントの企画をしたいとか、イベント運営のノウハウを学びたいと思っている学生や、将来に漠然と不安を抱いていて、何でもいいから行動に移したいと思っている学生が集まってきています。

 ◇成功体験を後輩たちにも感じてほしい

 ―サマーフェス以外でも活動しているのですか。

 若林さん 2カ月に1~2回のペースで30人程度の小規模な勉強会を開催しています。最近ではアナウンサーを講師に招いて「コミュニケーションをとるコツ」というテーマで開催しました。スタッフがその時々でやりたい企画を提案して、講師に依頼し、SNSで参加者を募ります。

 ―スタッフが自主的に企画を出して行動に移すというのは、すごいですね。代表として会のマネジメントをするに当たって、秘訣(ひけつ)はあるのでしょうか。

 「授業以外に何か学びたいという学生さんは気軽に参加して」と話す若林雛子さん
 若林さん スタッフはバイトではなく、ボランティアなので、やりたいというモチベーションを常に維持することが大切です。医療系の学生は忙しいので、あえて自分の時間をМFFの活動に当てるということは、どうしてもこの企画をやり遂げたいという強い思いがないとできません。

 昨年、私は副代表でしたから、何でもやらせてもらっていました。でも、今年は代表なので、自分がやるのではなく、後輩たちに自主的にやってもらって、自分たちで成し遂げたという達成感を味わってほしいと思っています。

 ―自主的にといっても、最初からいきなり、いろいろなことはできませんよね。

 若林さん まずは小さなことから振ってみて、それができたら、感謝の気持ちをきちんと伝え、とにかく思いっきりほめてあげます。私も入ったばかりのときは、自信がなくて不安でしたが、先輩がほめてくれるのがうれしくて、それで頑張れました。

 企画ができるようになったら、相談に乗ったりはしますが、企画が上がってこない時でも、一歩引いて「これ興味あるって言ってたよね? やってみたら」と言って、自主的に企画させるようにしています。今年のメディカルサマーフェスも、私はほとんど関わっていません。企画のテーマ出し、講師の依頼、会場の手配なども後輩たちがやってくれました。

 ―最後に入会を考えている学生にメッセージをお願いします。

 若林さん 他の学生団体はある程度、方針ややることが決まっていることが多いですが、МFFは所属しているメンバーの主体性を重視していますので、とにかく自由に何でも決められる団体です。授業以外に何か学びたいという学生さんは気軽に参加してみてください。


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