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女子選手の生涯見据えて指導を―女性アス支援委
集会で十代からの健康対策共有、原裕美子さんも訴え

 運動性無月経など女子選手特有の健康問題を考え、対策を共有するための集会「Female Athlete Conference 2020~女子選手のヘルスケアを考える~」が1日、東京都内で開かれた。

 引退後も摂食障害に苦しんできた元マラソン日本代表の原裕美子さんも登壇。「指導者は選手が現役をやめてから先の人生も考えて指導して」などと訴え、選手に対する厳しい体重管理などを行わないよう求めた。

 女性アスリート健康支援委員会の川原貴会長=1日、東京都千代田区
 日本産科婦人科学会や日本スポーツ協会など5団体でつくる「女性アスリート健康支援委員会」(川原貴会長)が主催(時事通信社共催)。学校の養護教諭や校医、スポーツ指導者、産婦人科医らに参加を呼び掛け、約320人が集まった。

 最初にあいさつした支援委の川原会長は、東京五輪・パラリンピックを前に、女性のスポーツ参加が広がる一方で、無月経や月経に伴うつらい症状、摂食障害などに悩み、十分なパフォーマンスを発揮できない選手がいる現状を紹介。「特に十代の問題は生涯の健康にもつながり、放置できない」と述べ、中高生のうちから健康を守る対策を取る重要性を強調した。

 続いて、産婦人科などの医師や公認スポーツ栄養士、臨床心理士ら9人がそれぞれの専門の立場から講演。月経痛などに悩むトップ選手が低用量ピルを用いて月経周期を調節する例も紹介された。

 東大医学部付属病院女性診療科・産科の能瀬さやか医師は、月経不順や無月経は、食事の量が運動量に追い付かない「体の利用可能エネルギー不足」のサインである可能性を説明。「10代でエネルギー不足を回避することは骨量獲得のためにも重要」と指摘するとともに、「エネルギー不足はもはや女性だけではなく全てのアスリート・パラアスリートの問題。骨や月経の問題にとどまらず、全身に悪影響がある」などと、国際オリンピック委員会(IOC)の声明に沿って注意を促した。

 女子選手の健康を考える集会にゲストとして参加した原裕美子さん=1日、東京都千代田区
 原さんは総合討論のゲストとして登壇した。選手時代からの摂食障害などが尾を引き、今も治療は終わっていないという。

 高校時代から17年間無月経が続いたことや、実業団時代の厳しい体重管理などを振り返りながら、「長い人生を見据えた指導」の必要性を繰り返し訴え、十代の選手に対するメッセージを求められると、「自分の体を大切にして、もしも摂食障害になったら放っておかず、勇気を出して相談し、早く治療して」と呼び掛けた。(水口郁雄)

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