治療・予防

予防プロジェクト「TASK―AF」
心房細動による脳卒中(下)

 突然、脳の血管が詰まる脳梗塞。その約30%が心房細動という不整脈と関連していることから、心房細動への適切な対策が急務となっている。その先進的な取り組みが、京都医療センター(京都市伏見区)循環器内科の赤尾昌治診療部長らが推進する「心房細動による脳卒中を予防するプロジェクト(TASK―AF)」だ。

 ◇TASK―AF始動

 心房細動による脳梗塞を予防するには、血液を固まりにくくして血栓を防ぐ抗凝固薬を継続して服用することが効果的だ。毎日服用することで、脳梗塞の発症を3分の1に減らす効果が実証されている。

 しかし、抗凝固薬は病気を治す薬ではなく、将来起こるかもしれない脳梗塞を予防する薬であるため、服用してもその効果を実感しづらく、飲み忘れたり、飲まなくなったりしがちだ。専門医からかかりつけ医に移った際に、処方が途切れることもあるという。

 そこで、日本脳卒中協会の事業の一環として、2014年に京都市伏見区でTASK―AFが始まった。心房細動の早期発見と適切な治療に、患者と病院、診療所、薬局など医療従事者が一丸となって取り組む試みだ。

 ◇脈測定で早期発見を

 TASK―AFは「心房細動連携手帳」を独自に製作、診療への導入を行っている。この手帳は、病気や治療の基礎知識をまとめた「心房細動とは」、毎日の服薬状況や血圧測定値を記録する「服薬・血圧測定カレンダー」、医師や薬剤師が記入する「医療連携パス」―の3部構成。

 患者自身が病気や治療のことを正しく理解し、自己管理の意識を持って、専門医とかかりつけ医、薬剤師も情報を共有しながら相互の連携を深めることが狙い。「脳梗塞、地域で防げ!」を合言葉に、同区から脳梗塞患者を1人でも減らすよう、地域ぐるみで取り組んでいる。

 「まずは心房細動の早期発見が重要です。脈の乱れがないか、自分で脈を取る習慣を付けてください。健康診断での心電図や、不整脈検知機能を持つ市販の自動血圧計などでも見つかります」と語る赤尾診療部長。「心房細動が見つかったら、症状がなくても医療機関を受診してください。心房細動は千差万別。医師と相談しながら自分に最適な方針を立てて、治療を継続することがとても大切です」と訴えている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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