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減塩や適度の運動=重要な生活改善―高血圧

 ◇塩分6グラム未満

 高血圧の原因の一つが塩分の過剰摂取だ。塩気の強い物を食べると、血管内の塩分濃度が高まり、それを薄めるために体内の水分が使われる。すると喉が渇いて水を飲み、血流量が一気に増えて血圧が上がってしまう。また体内の塩分濃度が高まって血管が収縮することも、血圧を押し上げる要因だ。
 日本高血圧学会は、1日の塩分摂取量を6グラム未満に抑えるよう推奨。だが、日本人の塩分摂取量の平均は1日10.0グラム(2015年国民健康・栄養調査)で、学会が掲げる減塩目標の2倍近くに当たり、達成はほど遠いのが現状だ。

 世界保健機関(WHO)はさらに少ない1日5グラムを推奨している。東京女子医科大学東医療センターの渡辺尚彦医師は「患者さんには1日4~5グラムと指導する。最初から6グラムを目標にすれば、7~8グラムにとどまってしまうのが人の常。6グラム未満にするためには、4~5グラムを目指すぐらいでちょうどよい」と話す。

 ◇「隠れ塩分」注意

 ただし、問題は調理時の塩分だけではない。白米は塩分ゼロだが、うどんやパンのように最初から相当量を含む食材も多い。食パンは8枚切りで1枚0.5グラム、6枚切りで0.7グラム、うどん1玉(ゆで麺)には0.9グラムの塩分が含まれる。「フランスパンもうどんも、そのままではかなり塩分が多い。食材自体がもともと含んでいる『隠れ塩分』に気を付けて」と渡辺医師は注意を促す。


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