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視力悪化、早期に適正対処を=増える近視、矯正法さまざま


 ◇寝ている間に視力回復!?

 通常、近視(屈折異常)は、さまざまな方法で生活に支障ないまでに矯正することができる。主な手段はめがね、コンタクトレンズ、レーシックなどの手術のほか、最近では夜間装用の継続により、日中の視力を回復させるオルソケラトロジー(角膜矯正用コンタクトレンズ)も注目されている。

 オルソケラトロジーは就寝前に特殊なハードコンタクトレンズを装着し、寝ている間に角膜を扁平(へんぺい)化(変形)させて屈折異常を矯正する。朝起きた時にレンズを外して日中は裸眼で過ごせる。ただ夜間装着をやめると元に戻るので、視力を維持するには毎晩装着する必要がある。スポーツ選手やめがね・コンタクトレンズの使用が難しい人、手術に抵抗がある人には有用だ。

 02年に米国で最初に承認され、欧州、アジアなどに広まり、日本では09年に医療機器として正式承認された。メーカー4社が承認を受け、診療を行う医療機関は300カ所を超え、使用者も増加。ただ、日本コンタクトレンズ学会発行のガイドラインによると、適用できるのは屈折値が安定している近視、乱視の人。重症ドライアイ、角膜感染症、免疫疾患、糖尿病の患者などは処方対象外だ。

 一方、子どもへの処方についてガイドライン作成に携わった吉野眼科クリニック院長(東京都台東区)の吉野健一医師は、「承認当初、20歳未満は日本では治験が行われておらず適応外だった。17年に改定されるガイドラインでは、「20歳未満は慎重処方」と改変された。実際の臨床の現場では未成年への処方が一定数を占めていること、安全性、有効性に一定の評価が得られたことがその理由だ。また近年、学童への処方で近視の進行が抑制されたという信憑(ぴょう)性のある報告が多数出ている」と話す。その上で、「成長期の子供の目に異物を入れるリスクには変わりなく、保護者の手厚い協力と本人の自覚が極めて重要だ」と警告している。

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